中国市場は「今のところ展開の予定はない」
──インドでのネットフリックスの状況はいかがでしょうか? どれくらいのメンバーがいて、どのような課題を抱えていますか?
1週間前にちょうど、インドのムンバイに行ってきたところです。インドはHotstarをはじめとする、インド発のサービスが充実していて、競争が激しいですが、優秀なクリエイターがたくさんおり、すごく魅力的な市場だと思っています。そしてインドには素晴らしい物語がたくさんあります。それを作品にし、世の中に配信できることを考えると、とてもエキサイティングですね。
──今後、中国市場に参入するチャンスはありますか?
ありません。我々は中国で長い間規制されると思います。ユーチューブやフェイスブックも規制されていますし、過去にはディズニーもストリーミングサービスを展開していましたが停止しました。きっと、我々を含む多くのサービスが今後、数年間のうちに中国で事業を展開するつもりはないでしょう。
──中東、特にアラブ首長国連邦での事業において、どのような計画を持っていますか? 新しいコンテンツの取得も予定しているのでしょうか?
もちろんです。中東でのシェアを拡大するには多大な投資が必要になってくるでしょう。エジプト、アラブ首長国連邦、ヨルダンなどさまざまな場所から素晴らしい作品を生み出し、それを世界中に共有していきたいと思っています。
──具体的にどのようなスケジュールで進めようと思っていますか?
詳細はわかりません。ただ、今後力を入れていくことは間違いありません。これまでも、ネットフリックスの作品を通して、知られざる物語との出会いを大事にしてきました。今後もメンバーと世界のストーリーを繋げることに取り組み続けます。
技術的な課題は数えきれないほど。今後も改善を続けていく
──ネットフリックスは人気ドラマシリーズの「フレンズ」の配信権を延長するための交渉を行っている、と報じられていました。配信権を獲得した当初から、AT&Tが独自のオンラインストリーミングサービスを開始することは予期されていましたか?
『フレンズ』はリニア型テレビ放送の時代からある、時代を象徴する素晴らしいタイトルです。今回の件は特別なケースで、我々が考える一般的なモデルは新しいコンテンツを創り出し、それを世の中に独占配信することが基本的な考え方であることには変わりありません。
──ネットフリックスは最近、いくつかの作品の制作をやめました。御社は従来のテレビ業界と同じ方法で制作するか否か、決定するのでしょうか? それとも他の要因が影響するのでしょうか?
他の会社がどのように意思決定しているかどうか把握していません。ネットフリックスで次のシリーズが制作されない作品の特徴として、制作コストが高い一方で視聴メンバー数が少ないものが当てはまります。
──ネットフリックスのユーザーインターフェース(UI)について、45分間スクロールし続けるなど冗談を言う人もいます。選択肢が多すぎて、観たい作品を選べないことをどのようにコントロールしていますか?
私たちが急激に成長を遂げてきましたが、すべてが完璧であるわけではありません。仰る通り、ユーザーインターフェースは課題のひとつで、雑誌のように美しくレイアウトされていない状況です。ただ課題は把握していて、改善を続けています。メンバーの満足度を高めるために、視覚的関心を引く雑誌のようなレイアウトを目指していきたいです。
──現時点でネットフリックスが抱える最大の技術的課題は何でしょうか?
技術的な課題は数えきれないほどあります。パーソナライズをより良くする取り組みを行っていますし、作品を選択したらすぐに配信が始まるようにバッファリングを最小限に抑えることにも取り組んでいるところです。メンバーの利便性を向上させるために取り組むべきことは、まだまだあります。