今年10月、競合トロント・ラプターズ対ヒューストン・ロケッツという好カードが2試合。生で観戦出来るのは約4万人に過ぎないが、NBAは最終的に1億人に届けたいと考えている。そのために、ソーシャルメディアを使ったオンライン上の取り組みなど、観戦機会がないファンを巻き込んでいく仕掛けも行っていく。
NBAは、楽天、ひいては日本市場についてどのような考えを持っているのか? NBAオールスター・ウィークエンドのテクノロジーサミットに参加していたNBAアジアのスコット・リヴィー氏、NBAのデピュティ・コミッショナー兼COOを務めるマーク・テイタム氏に話を聞いた。
NBAにとって楽天は理想的なパートナー
──楽天とパートナーシップについて、どのような狙いがあるのでしょうか?
リヴィー:楽天は日本国内で最も成功を収めている企業の1つです。私達は常にイノベーションリーダーをパートナーとして求めており、そのパートナーシップを楽天と結ぶことが出来たことを嬉しく思っています。
彼らはバスケットボールというスポーツを育てようと、全てのリソースを費やしてくれています。このパートナーシップは長期的なものですが、史上2人目の日本人NBA選手が誕生している事も含め、全てが良い形で同じ方向を向いて進んでいます。これほどまでに日本国内でバスケットボールに対する期待が高まっている時期というのはなかったのではないでしょうか。
まだパートナーシップを組んで約1年半。この期間で大きな一歩を踏んだ事は間違いないが、まだまだやれる事は多いです。
──テイタムさんはパートナーシップ企業に対してどのような要素を求めていますか?
テイタム:私達はバスケットボールに対して同じ情熱を持ってくれるパートナーを求めます。このスポーツを育てようと共に投資をしてくれるかどうか。楽天はそれを実現してくれるパートナーです。
楽天は、オールスター期間中もシャーロットでアクティベーションを行い、ブランディングをしています。ミッキー(楽天の三木谷社長)は素晴らしい起業家です。常に将来を見通しています。私達はそのような情熱あるパートナーと共にバスケットボールを育てていきたい。
日本市場はまだまだ可能性がある
──ジャパンゲームズの開催が発表されましたが、NBAにとって日本市場はどういう存在になっていくのでしょうか?
リヴィー:試合そのものは幅広いマーケティング戦略の一部。試合だけを単離して、その結果がどうだったとは言いません。このゲームズは私達が楽天と共にやろうとしている全体像の一部です。現在、1週間に9試合の配信、OTTサービス、リーグパスで多くの視聴者にリーチしています。
私たちはこれまで、エンゲージメントを高めるパートナー企業を仲間としてきました。マーチャンダイズがファンの手元に届くようにファナティクスとパートナーシップも結んでいます。
そしてNBA関連の商品に多く触れてもらうためスーパースポーツゼビオとも協力しています。さらにはソーシャルメディアを活用する仕掛けも行い、様々な活動を行っている中にジャパンゲームズも含まれてきます。試合を開催する事でこれまでの努力をさらに大きなものにしていく相乗効果に繋がります。