CBDへの関心がうなぎ上りとなっている背景にあるのが、2018年農業法の可決だろう。同法では産業用アサの生産が合法化された。ティルレイが先日、3億1400万ドル(約350億円)で世界最大のヘンプ食品企業マニトバ・ハーベスト(Manitoba Harvest)を買収したことも間違いなくこの農業法がきっかけだ。
2018年農業法では、アサ由来のCBD商品を州境を超えて輸送することを明確に認めている。これは、米連邦政府の規制物質法からアサ由来のCBDオイルが削除された動きに続くもので、CBDオイルが全米レベルで解禁されたことを意味している。これにより、現時点ではTHCに認められていない全米レベルでの特権がCBDに認められることになった。
しかし、状況は必ずしも円滑ではない。米食品医薬品局(FDA)はいまだに食用CBD製品の販売に対する新規則や指針を発表しておらず、メーン州やオハイオ州、ニューヨーク市など一部の地域では、CBDを使用した食品や飲料の販売中止が強いられている。FDAのスコット・ゴットリーブ長官は12月、FDAの承認を受けるまで食品・サプリメントの形でCBD製品を販売することは合法ではないとする発表を出した。
大麻業界は、CBDが「一般的に安全と認められる(GRAS)」物質に認定され、バニラエッセンスやカフェインなどと同様の分類になることを望んでいる。また少なくとも数十人の議員がこの活動に加わり、FDAの承認なしでも製品を製造・販売できるよう、CBD食品に関する方針を見直するよう同局に求めた。ゴットリーブ長官はCBDへの態度を軟化させる兆しを見せ、公式なガイドラインを作成すべく、CBDに関する最初の公聴会を4月に実施すると米議会に対し述べた。
公聴会がどのような展開になったとしても、CBDを使った製品はなくならない。米投資銀行コーウェン・アンド・カンパニーの調べによれば、米国の成人の7%近くが現在CBD製品を使っており、この数は今後数年で10%になると見込まれている。CBDの人気が上がり続ける中、同市場は新たな消費者をさらに多く引きつけていくだろう。