日本勢が熱演する電動SUV、欧州のトップメーカーと対抗

アウディ Q4 e-tron


三菱は、欧州でアウトランダーPHEVを10万台以上売って大ヒットしているメーカーだ。そのPHEVの専門家が今回出したのは、「エンゲルベルクツアラー」というクロスオーバーSUVのコンセプトだ。このコンセプトは、ツインモーター4WDの2.4LのプラグインハイブリッドEV(PHEV)で、EVモードでは70km以上走行可。総航続距離は700km以上だという。

ところで、三菱には世界ラリー選手権の優勝という素晴らしい歴史があることを忘れてはならない。「ランサーエボリューション」で培ったノウハウを活かして、前輪左右の駆動力配分を制御するヨーコントロール(AYC)を採用する。

ホンダは2019年後半から生産へ

日本勢ではもうひとつ、ホンダも頑張りを見せ、欧州初のEV「ホンダeプロトタイプ」を披露した。

初代シビックを思わせる丸目の表情は親しみを感じさせたいらしい。このクルマは、全く新しいEV専用プラットフォームで後輪駆動方式を採用しているし、航続距離はギリギリ納得できる200km以上出るという。

しかし、この情報の中で一番記憶するべきことは、このプロトタイプをベースとした電気自動車の生産開始は2019年後半を予定していること。

プジョー、シトロエンも

プジョーが発表したEV「e-208」には、136psを発生するモーターが搭載され、航続距離は450km。プジョーが属するPSAグループは、全モデルへの電動パワートレイン車の設定を計画している。

シトロエンも今年で100周年を祝って、航続距離100km、最高速45km/hも出るシティコミューターEV「アミワン」を発表した。

また、中国の自動車メーカー、アイウェイズはジュネーブ・モーターショーで「U5」と名付けられた電動SUVを発表。欧州市場に進出を開始する。

つまりで、ほとんどのカーメーカーがなんらかのEVを作っているということだ。冒頭のパーマー社長が言いたかったのは、「私たちには、近い将来、一般車でも高級車でもEVの選択がグーンと増えるから、楽しみにしててね!」という意味だろう。

だんだんと航続距離の問題、インフラの問題などが解決されつつあるので、今までにないほど一般ユーザーがEVに少しずつ目を向け始めるのではないかという予想だね。

国際モータージャーナリスト、ピーター・ライオンが語るクルマの話
「ライオンのひと吠え」 過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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