同社は年内にも、第1号店をカリフォルニア州ロサンゼルスに開業する予定だとされている。
この報道があった前日には、アマゾンが傘下の高級スーパー、ホールフーズ・マーケットが2015年に運営を開始した新業態の「ホールフーズ・マーケット365」を、従来の「ホールフーズ・マーケット」に統合する計画であることが伝えられた。
こうしたことから浮かんでくるのは、アマゾンにとって「なぜ食料品なのか」、そして「なぜ今なのか」という疑問だ。
同社はすでに、約450店舗のホールフーズを運営しているほか、シアトルやサンフランシスコ、シカゴをはじめ10カ所に無人コンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」を開業している。
考えられるアマゾンの狙い
アマゾンが新たな戦略を推進するのは主に、新しいチェーンを以下のようなものにする狙いがあるためだと考えられる。
1. これまでホールフーズが扱ってきた自然食品やオーガニック食品よりも、一般的な食料品により焦点を当てたものにする。
コカ・コーラやシリアルの「チェリオ」、洗剤の「タイド」など、一般的な消費財を求める消費にとって、ホールフーズは必要なものを提供している店舗になっていない。
伝統的な消費財の市場は厳しい状況にある(クラフト・ハインツの2018年第4四半期の決算結果からも明らかだ)。ただ、そうした中でも、購入されている食料品の主流は依然として、それらの商品だ。
2. より高い価格競争力を持った食料品チェーンにする。
アマゾンはこれまで、値下げや有料会員制プログラム「アマゾン・プライム」でのプロモーションを通じて、「ホールフーズの商品は高い」との見方を変えようと努力してきた。だが、これは困難な闘いとなっている。