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Deputy editor for Industry; eyes on the skies

Ioan Panaite / Shutterstock.com

アマゾンは2月14日、ニューヨークに設置を予定していた第2本社の計画を断念すると発表した。地元の政治家らは、アマゾンに対し多額の税優遇措置が適用されることに反発し、都市部の過密化の進行や、貧しい人々の住環境の悪化も懸念されていた。

その一方で、ニューヨークが失うことになる2万5000名の雇用創出の機会を、多くの他の都市が待ち望んでいる。

アマゾンは当面の間は、ニューヨークに代わる候補地探しを再開しない方針だという。しかし、バージニア州北部での第2本社の一部の建設と、テネシー州ナッシュビルでの物流拠点の新設計画は続行し、米国とカナダの17拠点における採用は今後も継続すると述べている。

「昨年11月にアマゾンが第2本社の設立を宣言して以来、アマゾンやそこに関わるサプライヤーらは、密かに18都市の不動産物件の検討を進めてきた」と、不動産コンサルタントのJohn Boydは話す。同社がニューヨークでのプロジェクトを断念したことで、膨大な予算がそれらの都市に流れることになる。

Boydによると、恩恵を受ける都市にはニュージャージー州のニューアークや、マイアミ、ピッツバーグ、テキサス州オースティン、オハイオ州コロンバスなどが含まれるという。

なかでも有望なのは、アマゾンのオーディブル部門があるニューアークだという。ニューアークは強固なネットインフラを持ち、NYの中心部と比べると家賃は5分の1程度で済む。

ニューアークには他の大手企業も進出を進めており、プルーデンシャルやゴールドマン・サックスも、21階建てのNew Jersey Bellビルのリノベーションを行っている。また、プルーデンシャルを含む合弁企業が昨年、大型施設のGateway Centerの大部分を買収した。

さらに、アマゾンやサプライヤーが他に興味を持ちそうな地域としては、マイアミのイノベーションディストリクトや、ピッツバーグのRobotics Rowと呼ばれるエリアがあるという。

一方で、ニューヨークにおける、アマゾンの存在感が消える訳ではないとBoydは話す。アマゾンは現在5000名の社員をニューヨークで雇用しているが、ファッション業界やメディア業界に関心を持つ同社は、今後も現地での雇用を拡大する見通しだ。

「第2本社の計画が頓挫しても、アマゾンがニューヨークに見切りをつけることはない」とBoydは話した。

編集=上田裕資

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