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中小企業経営につきまとう「後継ぎ」問題。

20年後のために種を蒔く山野千枝は、見方を変えれば彼らは日本の希望になりうるという。


日本にある企業の99%以上は中小企業で、その9割を占めるのはファミリービジネス(同族経営)です。総務省の予想では、2025年には日本の社長の64%が70歳以上を迎え、うち3分の2が後継者不在になるといわれています。ですが、当の若者は将来性がないなどの理由で、実家への就職を選んでくれないのが現状です。

20〜30代の若者が家業を継ぎ、新たに挑戦することを「ベンチャー型事業承継」と名付け、18年6月に彼らを支援する一般社団法人を立ち上げました。柳井正さんが家業の資源を生かして小郡商事をグローバル企業・ファーストリテイリングに成長させたように、日本経済は「中小企業の新規事業」によって発展してきました。この流れを閉ざしてはいけないはずです。

若者が家業を継いでも、中小企業で新規事業を立ち上げるのは容易ではありません。経営資源や従業員をもち、銀行からお金を借りやすい中小企業は、一見するとゼロから事業を始めるベンチャーよりも好条件に思えるでしょう。しかし、事業をこなしつつ、経営者である親や年配の職人、取引先を説得しなければなりません。特に地方にはITなどの先端技術に明るくない人も多く、VCの説得とはまた違った苦労があります。

後継ぎの方からは「ゼロから新規事業に挑戦できるスタートアップの方がよほど楽だ」とよく言われます。実際、創業の大変さが想像しやすいスタートアップを支援する仕組みは近年かなり整備されましたが、後継ぎをめぐる状況はほぼ変わっていません。

苦労もありますが、伝統産業とITの掛け合わせや、製造業が卸売までを担当するといった事業の拡大、目的に応じた子会社の立ち上げなど、中小企業の挑戦には既存事業の強みを生かしたいろいろな戦い方があります。特にベンチャー支援が成立しづらい地方では、地域に根ざした中小企業の取り組みは大きなインパクトを生むはずです。

文=Forbes JAPAN編集部

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