そう思ったのは、ある読者から最近寄せられたメッセージがきっかけだった。この読者は、企業を対象にPR・広報戦略アドバイザー業を営むドリーン・クラークさんで、ロサンゼルス・ラムズのヘッドコーチであるショーン・マクベイに関して私が最近書いた記事「優秀なリーダーの条件 自分より賢い人を恐れないこと」についてのコメントを寄せてくれた。
マクベイは、自分の成功の秘訣(ひけつ)について、自分よりも優秀な人々を周囲に置き、その声に耳を傾けたことにあったと明言している。クラークさんが指摘したのは、マクベイのように振る舞えないリーダーが多すぎるという点だった。
「エゴがとてつもなく大きい。オーナーたちは、自分は最も優秀な人材を雇ってきたと言うけれど、変革が必要となった時には自分の考えだけを押し通す。まさにサイロ状態。これにより、真にスマートでイノベイティブな人々は、自分の意見などどうでもいいのだからと、口を閉ざしてしまう」
「リーダーは時に立ち止まり、厳しい質問を投げかける必要がある。素晴らしい知識とポテンシャルを持ち、それまでずっと高く評価されてきた人がもはや発言しなくなったのは、言うことが何もないのか、それとも、自分の声が重要ではないからか? 私は後者の方が多いと思う。これは深刻なマネジメント問題で、従業員からすると、自分の意見が尊重される別の場所を探し求める正当な理由になる」
心が閉ざされる時
これは、次のある興味深い疑問を生む。上司が周囲の意見を求めておきながら、結局は自分の直感に従って行動することが、どれほど頻繁にあるだろうか? こうした状況には、数通りのパターンがある。
1. 実際に上司の直感の方がはるかに優れており、単にそれに従うのが最善だ。
2. 上司が聞き上手ではない。部下の言うことを聞いていても、その内容が耳に入っていない。
3. 上司は反射的に質問をしているが、意識的か否かは別として、外部からの意見を採り入れるつもりはなく、心が既に固まっている。
どのパターンも可能性はあるが、2と3のケースは1よりも多い。