展覧会開催国、お宝が眠る国としての日本の存在感
アートビジネスの世界では、コレクター数が限られている日本の影響力は限定的です。しかし、主要展覧会開催国、お宝の眠る国として、日本は世界の美術界で重要な位置を占めます。
2月3日に上野の森美術館で閉幕した「フェルメール展」は68万人を動員しました。主要展覧会1日当たりの入場者数世界トップ10リストには、常に国内開催の展覧会が1~2見受けられます。
また、書店のビジネス書コーナーにアート関連の本が多く並ぶ様子をみると、日本の若いビジネスパーソンたちのアートに対する関心の高まりを実感します。
ZOZOの前澤友作さんがバスキアの作品を123億円で落札したのも、財力だけでなくアートに対する情熱があったからこそ。今後日本でもさらにアートが注目を集めるようになることを期待しています。
石坂 泰章◎総合商社勤務、近現代美術画廊経営を経て、サザビーズジャパン代表取締役会長兼社長。著書に『巨大アートビジネスの裏側』(文春新書、2016年)、『サザビーズ』(講談社、2009年)。東京藝術大学非常勤講師。