カニの目利きができなくても、越前がには熟練の漁師さんが選別しているため安心です。ちなみにカニの甲羅に黒い粒々が付いていることがありますが、これはカニに無害なヒルの卵。卵がたくさん付着したものは脱皮から時間がたっている証拠なので、身が詰まったカニの目印になります。
越前沖は暖流と寒流がぶつかることから、カニのエサとなるプランクトンや甘エビも豊富。実入りの良い越前がにが育ちます。
そしてズワイガニは鮮度が肝心。死んでしまうと非常に傷みやすいのです。ズワイガニは深海に生息しますが、越前がにの漁場は港に近いため生きたまま水揚げされ、セリにかけられます。そして地元の旅館やお店では生け簀に入れられ、抜群の鮮度で味わうことができます。
(c)高田サンコ/講談社
越前がにのおいしい食べ方はずばり、塩茹で。とくに水揚げされたばかりの、一番元気の良い状態で塩茹でするのが最高なんだそう。オススメは何もつけずに食べること。茹でたてよりも、半日ほど置いてほどよく水分が抜けると、より濃厚な味わいが楽しめます。そのため、いわゆる浜ゆでを直送してもらうとちょうど食べごろの状態で届くとのこと。いつかあの幸せを自宅で味わいたいです。
越前がにの漁期は11月から3月。最もおいしいのは寒さ厳しい2月。冷たい海水に耐えるため、カニみそに脂がのってくるためです。しかし海が時化やすい時期でもあり、水揚げは減少、入手は困難だそう。2月が来るたび、最高の状態の越前がにが頭をよぎります。
連載:夢の食べ物
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