ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

表彰ディナーでスピーチを行った大谷翔平(Photo by Alex Trautwig/MLB Photos via Getty Images)

エンゼルスの大谷翔平選手が1月26日、ニューヨークで開催された全米野球記者協会のディナーに出席し、英語でスピーチを披露した。メジャーリーグ各賞受賞者を表彰するこのディナーは、1926年から始まった伝統あるもので、大谷選手はアメリカンリーグの新人王として招かれていた。

これまでにも大谷選手は、フィールドまたは記者会見で英語を話したことはあったが、最初から最後までフルに英語でスピーチをしたのは初めてのことで、集まった1000人近い出席者から注目の視線を浴びた。

この会見の模様を流した、エンゼルスのファンサイトでは、12時間で800のツイートと3000の「いいね!」を集め、フットボールに主役をさらわれているオフシーズンの野球界では、ひさしぶりのホットな話題となった。

表彰に際して、授与する側を代表したビリー・エプラー(エンゼルスのゼネラルマネージャー)は、「すばらしい新人に恵まれた野球界だったが、Shohei以上にこの新人賞にふさわしい選手はいなかったのは明らかだ」と絶賛し、同会場(着席のディナーテーブル)に招待されていた大谷選手の両親にも、感謝を伝えた。

さて、この大谷選手のスピーチ、実に見事なものだったとアメリカの人たちの間でも評価が高い。最後に「次回はカンニングペーパーがなくても喋れるようにします」というジョークで笑いをとったことは、すでにネットニュースなどでも発信されているが、だからスピーチが上手いというわけではなく、もっと奥深い、大谷選手がスピーチ原稿を考える際の配慮と準備のあとが見られる。

聴衆の期待に応えるスピーチ

アメリカはスピーチの機会がとても多い国だ。普通の人でも、人前でマイクを持たされる機会がとても多い。そのため、上手な人がたくさんいる一方、失敗をする人も少なくなく、スピーチをコーチするセミナーも、アメリカには掃いて捨てるほどある。

たくさんスピーチを聞く機会に触れると、実はいいスピーチというのは、けっしてアナウンサーのようにきれいに、水が流れるようにスムーズに喋ることではないとわかる。また、詩のような美文を喋ろうとする人も多いが、たいていの場合、そのさもしい魂胆を聴衆に見透かされてしまう。

文=長野慶太

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