あなたが給料について柔軟な場合、コストが高過ぎて雇えないのではないかという企業の不安に面接初期から対処しておくこと。相手から給料の話が出される前に自分から話す必要はないが、現時点ではこの新たな業界や役割だけを目標としていると伝えよう。そうすれば、その市場の給料やライフスタイル、キャリアパスなどをあなたが真剣に考えていることを示せる。
3. 経験が多過ぎる人は管理しづらいという懸念を拭い去る
経験豊富な候補者は、管理が難しいと思われている。物事を特定のやり方ですることに慣れてしまっているから、自分は実際よりも知識豊富だと思っているから、初心者の心持ちで臨むことができないからといったことが理由だ。雇用主に対し、自分は習得が早い、柔軟性がある、努力をする意思があるなどと空約束をしないこと。
その代わり、何か新しいことを学んだり新たな手法を試したり、異なる役割を演じたりといった最近の例を共有することで、自分は適切な態度を備えていることを示そう。これは、仕事外の活動や自分の時間で受講している講座、自己学習などでよい。約束だけでなく、意欲的な態度と偏見のない心を示す実例を出すことが必要だ。
4. 心からの関心を見せる
要求されているよりも経験が長い場合、企業はあなたがその仕事に何を求めているのか理解できないかもしれない。その場合、仕事や企業、業界について心から関心を持っていることを示すべきだ。そのためには、その仕事の役割や企業についての情報、業界動向などを事前に調べ、“宿題”をこなしておかなければならない。私のある顧客は、銀行業界から教育業界へと大きな転向を遂げたが、それまでいくつかの教育機関で既にボランティアをした経験があった。
5. 自分を雇った際の利点を具体的に述べる
実際の経験と職務要件のズレを埋めようとしているときは、防御姿勢で不利な状況と闘っている状態だ。しかし、攻勢に転じて自分独自の経験を強調すれば、そのズレさえも会社にとってはメリットとなるかもしれない。
先述の教育業界に転身した銀行家は、教育業界での専門的な経験がないことをアピールポイントとし、新たな業界に新鮮なアイデアやベストプラクティスをもたらすことのできる客観的な部外者として自身を位置付けた。
長年にわたる経験は、実は有利な点になるかもしれない。目指す役割と企業を異なる視点から見て、豊富過ぎる経験が適切なものになるかもしれない分野を探そう。
キャリア初期には経験が足りないことがあるが、キャリア後期になると経験があり過ぎることがあるかもしれない。雇用主にとって適切な経験レベルに合わせるには、自分についての説明や、企業・仕事のニーズをどのように満たすかの説明をカスタマイズする必要がある。これは微妙なバランスだが、達成可能なものだ。