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Bernardo Ramonfaur / Shutterstock.com

動画ストリーミング市場では現在のところ、広告に邪魔されずイッキ見が可能な有料サービスが主流になっている。しかし、競合との戦いが激化する中で、ネットフリックスやアマゾンが事業モデルを見直す可能性もある。

米国では近年、新興のストリーミングサービスが立ち上がり、急激に勢力を増している。ストリーミングデバイス企業「Roku(ロク)」は2017年、企業からの広告料で運営する独自チャンネル「The Roku Channel」を立ち上げ、ABCやNBCのテレビ番組や映画を配信中だ。

また、同様な広告モデルをとるPlutoが600万人、Xumoが340万人の月間ユーザーを抱え、利用者を拡大させている。Huluは米国では、広告つきの最安プランの価格を5.9ドルに引き下げ、全体では2500万人の利用者を抱えている。

「ネットフリックスやアマゾン、Huluの有料サービスに全て加入すると月額の費用は30ドルを超える。価格に敏感な消費者は、広告つきサービスを新たな選択肢として考えている」とXumoのCEOのColin Petrie-Norrisは述べた。

一方で、サムスンやLG、Vizioなどのテレビ機器メーカーも、広告つきでストリーミングが観られるアプリの統合を進めている。

アマゾンも先日、Fire TVに今後、広告つきのストリーミングサービスを加える計画を明らかにした。ネットフリックスはこれまで、広告型のサービスには言及していないが、業界のアナリストからは、同社が今後、成長の限界に直面した場合、広告モデルの導入に踏み切る可能性があるとの見方もあがっている。

膨大な数のオリジナルコンテンツを製作するネットフリックスは、オリジナル比率を50%にまで高めるため、今後200億ドル近くを投資すると見られる。また、自社のストリーミングサービスを始動する予定のディズニーは、ネットフリックスから番組を引き上げた。

ネットフリックスの会員数は昨年12月末に、世界で1億3926万人に達したが、売上は予想を下回った。同社は先日、月額費用を11ドルから13ドルに値上げしたが、今後もネットフリックスが現在のポジションを守りきれるかどうかは定かではない。

しかし、Hub Entertainment Researchが実施した調査によると、ネットフリックスが広告つきのサービスを開始したとしたら、利用をやめると回答した利用者の比率は23%に及んでいた。「ネットフリックスの会員らは、広告なしで視聴できる点に魅力を感じている」とHub Entertainmentのアナリストは述べた。

ネットフリックスが広告つきサービスを開始するとしたら、利用者の反応を慎重に見きわめる必要がある。また、広告システムの導入や、セールスチームの雇用といった新たな投資も必要になる。これらのリスクを考慮に入れた上で、ネットフリックスは新たなビジネスモデルを模索する必要があるだろう。

編集=上田裕資

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