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フォーブス ジャパン編集部 エディター

旅のストーリー共有アプリ「mertrip(メルトリップ)」

先日、英国事業からの撤退を発表したメルカリ。今度はメルカリ100%子会社のソウゾウから、サービス終了のニュースが飛び込んできた。ソウゾウは2019年1月31日をもって、オープンβ版として提供していた、旅のストーリー共有アプリ「mertrip(メルトリップ)」を終了することを12月20日発表した。Open β版のため利用者などの情報は非公開。

メルトリップは旅先で撮った写真がマップと旅程の形で自動でまとめられるアプリ。旅先での思い出やお役立ち情報などを記入すれば、ストーリー(旅の日記)が完成し、旅の思い出を他の人と共有することができる。

サービスを終了した理由について、ソウゾウの広報は「メルトリップはopen β版としてリリースし、テスト段階の状況でした。グループ戦略とリソース配分の優先順位を総合的に勘案し、サービスの終了を決定いたしました。当社は投資規律を重視した経営を行っており、可能性のある事業に経営資源を集中していく一例だとご理解いただければと思います」とコメントした。

旅行事業は2018年のスタートアップの一大トレンドと言って良いだろう。LINEの「LINEトラベル」、DMMの「DMM TRAVEL」、BANKの「TRAVEL Now」、そしてHotSpringの「ズボラ旅」など、さまざまな旅行系のサービスが登場した。後発のメルカリは他社とは異なる「旅のストーリーを共有する」という切り口で旅行業界に参入した。

ソウゾウは2018年4月に経営体制を刷新。松本龍祐(現メルペイ取締役CPO)の後任として、ブランド品フリマアプリの「スマオク」などのC2Cサービスを手がけた経験を持つ原田大作が代表に就任。取締役にはメルカリ10人目の社員としてコーポレート部門を率いてきた掛川紗矢香、メルカリ8人目の社員で初期のメルカリを開発していたエンジニアの鶴岡達也が就任していた。

ソウゾウは今年7月にブランド査定付きフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」、即時買取サービスの「メルカリNOW」、知識や技術などを売買する「teacha」の3サービスを終了した。

経営資源をすべて旅行関連事業に投入し、「次のメルカリ級事業を開発する」と意気込んで開発したのがメルトリップだったが、提供開始から3カ月ほどの短期間で終了となった。旅のストーリー共有については、世界的なユーザー数を抱え、より簡易に共有できるインスタグラムなどの先行サービスが依然全盛を誇り、想像以上に利用者が伸びなかったことが要因とみられる。

旅行関連事業について、今後どのような展開を考えているのか。広報は「旅行事業にかかわらず、新規事業に関して検討いたしますが、直近は米国事業とメルペイ事業を拡大させることが重要だと考えております」と回答した。

複数の新規事業を立て続けにリリースし、拡大路線をとってきた印象の強いメルカリだが、このタイミングで成長可能性の低い事業を一気に畳み、経営をスリム化。その真の狙いは何か。

代表取締役会長の山田進太郎は、先日出版された『メルカリ 希代のスタートアップ、野心と焦りと挑戦の5年間』(日経BP出版)で創業初期からの「米国進出の思い」を語っているほか、常々Forbes JAPANの取材にも米国について口にしており、メルカリUS CEOのジョン・ラーゲリンを口説き落とした理由も述べている。

悲願であるメルカリ本体の米国における成功に向けて、2019年、本腰を入れて臨むとみられる。

文=新國翔大

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