2. 一にも二にもコミュニケーション
とにかくミーティングを持つこと。といっても従来のように「会議のための会議」を持つということではありません。
バーチャルチームメンバー全員が、チーム成果達成のために現在進行中の案件を共有するためです。最低週1回の1対1のミーティングと、隔週の全員ミーティング。バーチャルでなくても実行されているかもしれませんが、全員ミーティングは、チームメンバーがお互い何をしているのかを理解しあうためのミーティングです。
マネージャーにとっては、メンバー各自のプロジェクトを成功に導くための確認になります。「今何をやっているの?」ではなく、「上司として私ができることはないか?」「どんな支援が必要か?」と聞くことは上司として確認すべきことですが、普段の様子から察するなどといったことができないバーチャルチームのマネジメントでは、より一層意識して聞くべきことでしょう。
スカイプやZOOMといったWebミーティングツールは、お互いの顔の表情や声のトーンなども感じることができる意味でもコミュニケーションツールとして重要です。
3. コラボレーションツールの選定
クラウドベースのソリューションはバーチャルチームの協働を促進する上で必須のツールとなっています。例えば、マイクロソフトのOffice 365などは、カレンダーの共有、チャットルームやファイル共有ドライブまでもカバーしており、それぞれ単体のツールを導入することなく使うことができるコラボレーションツールとしてとても有力です。
また、eメールのやり取りなどによるファイル共有の煩雑さやコミュニケーションのズレなどを防ぐためにも、コラボレーションツールとしてのチャットプログラムのスラックやチャットワークなどの活用はさらに広まっていくはずです。
4. 仕事以外のチームのインターアクションを作る
物理的に会うことが難しいチームの場合、チームとしての一体感や協働者としての友情を築いたりといったことはなかなか難しいことかもしれません。リアルの場で起こる交流をバーチャルチームにも作るためには、意図して業務以外のイベントを作ることも必要だと言われています。
ランチタイムミーティングと称して全員PCの前にランチを持参し、雑談を交えながらチームとしての一体感を作るのもいいでしょう。気軽に近況を報告しあったり、メンタリングやコーチングを受けることができるようなチームコミュニケーションガイドラインなどの導入も必要かもしれません。
リモートワークは孤独になりがち。公式のミーティング以外にも、顔の見えるミーティングツールを使ったコミュニケーションをとるべきです。
日本では、まだまだ完全なバーチャルチーム働くプロジェクトや業務は少ないかもしれません。しかし、子育て中の社員や、介護をしている在宅社員などもリモートチームメンバーにいることは十分にあり得ます。全員がバーチャルチームメンバーではないからこそ感じる疎外感というのも逆に大きいかもしれません。
リモートワークが広まった現代では、セルフマネジメントやマネージャー力の強化など、今まで目の前に人がいることを理由に何となくやり過ごしてきたスキルに、改めて向き合う必要があります。
連載:働き方改革の先にあるもの
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