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フリーライター/エディター

国際連合広報センター所長の根本かおる、日本証券業協会会長の鈴木茂晴

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」。16年から30年までの国際目標だが、今年になって急速に浸透してきた感がある。

SDGsは、貧困や飢餓といった発展途上国に多く見られる課題のみならず、ジェンダーや雇用、生産、消費など先進国も取り組みの対象となる普遍性が特徴で、日本国内もすでに企業の取り組みが始まっている。

そんな中で、個社単位ではなく、業界全体をあげてSDGsに取り組んでいるのが、証券業界だ。仕掛け人は、日本証券業協会会長の鈴木茂晴。大和証券グループ在籍中から働き方改革や女性登用などを進めてきたが、2017年に同協会の会長に就任すると、業界全体でSDGsに掲げられている社会的な課題に積極的に取り組むよう提案した。

18年3月には「SDGs宣言」を発表。推進目標として掲げるのは、「貧困・飢餓の根絶や地球環境の保護」「働き方改革・女性活躍」「社会的弱者への教育支援」だ。

証券業界は、日本のSDGs推進のベンチマークになりうるのか。鈴木の心境と活動内容を、国際連合広報センター所長の根本かおるが聞いた。



まずはSDGsの認知度向上を

根本:なぜ日本証券業協会が、業界をあげてSDGsに取り組むのでしょうか。

鈴木:会長就任を機に、何か証券業界全体でできることはないかと考えたんです。私も初めは詳しくなかったのですが、SDGsの17のゴールについて勉強するうちに、証券業界が取り組めるテーマがたくさんあり、今すぐ取り組まなければならない目標だと感じました。就任当初は周囲にSDGsの話をしても「何それ?」と言われることが多かったのですが、いまでは世間の認知度も随分高まりましたね。

SDGsでは17の開発目標が掲げられていますが、証券業界でも貢献できることがたくさんあります。私は大和証券時代から女性登用や残業の削減を推進してきましたが、これを業界全体でやることには価値があると考えています。また、世界的な取り組みにいち早くコミットしていることを示せば業界のイメージアップにもつながりますし、我々が率先して取り組むことで日本全体での流れにできるとも思っています。

根本:国内でも、かなり早くから動かれていましたよね。

鈴木:17年7月に取り組みを開始し、18年3月にSDGs宣言を発表しました。まず行ったのはSDGs担当部署を設け、女性リーダーのもとに優秀なスタッフを集めたこと。当初は単独の担当室という位置付けでしたが、今年9月からはSDGs推進本部を設置し、私が本部長としてさらに活動を推進していきます。

我々は学者ではないので、あるべき論を掲げるつもりはありません。小さなことであっても、できることから一歩ずつ実行したいですね。まずはSDGsの各目標を17色で表したバッジを業界全体で身につけるなど、認知度を高めるところからはじめています。

根本:私も証券業界の方と接することが多いのですが、いまではかなりの方が当たり前のようにSDGsバッジを着用するようになりました。

文=野口直希

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