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uArm共同創業者のTony Leと同社マス市場向け製品の「xArm」(photo courtesy of Ben Sin)

かつては寂れた漁村に過ぎなかった中国の深センは、この20年でハードウェア製造で世界をリードする都市へと変貌を遂げた。成長の源泉となったのは、深センで働く人々の高い労働倫理と、優れたロボティクス技術だ。

深センのロボティクス分野の発展を支えたのが、工場の生産効率を高めるロボットアームだ。そのロボットアームをマス市場向けに提供しようとしているスタートアップ企業が深センに本拠を置く「uArm」だ。同社は長年、コンシューマ向けのロボットアームを販売してきたが、それらは子供や経験の浅い修理工向けのエントリーレベル製品で、価格も200ドルと安価だった。しかし、今回同社がリリースした「xArm」は7軸の高性能ロボットアームで、価格は2000ドルもする。

「これまで我々が販売していたエントリーレベル製品は3軸しかなかったが、xArmは人間の腕のような柔軟さを備えている」とuArmの共同創業者で29歳のTony Leは話す。

xArmの最大耐荷重は8ポンド(約3.6キロ)で、リーチは27インチ(約69センチ)ある。従来の製品のターゲット層は子供や10代の若者、修理工を志す人などだったが、xArmは中小企業の生産性向上や、障害者の生活支援を目的としている。

Leのチームは筆者のためにデモを行い、xArmを使ってコップに水を入れてくれた。「腕に障害がある場合、ロボットアームが日々の業務や反復して行う作業を代行してくれる」と彼は話した。


xArmを使ってコップに水を入れるデモの様子

Leたちは、フォックスコン(鴻海精密工業)がiPhoneを製造するために使っているようなロボットアームを、一般の人々にも提供したいという想いでuArmを立ち上げた。彼らはロボットアームを持ち運びやすくするためにいくつかの素材をテストし、最終的にカーボンファイバーを採用した。その後、同社の約12人のデザイナーがモーターのパワーを維持しながら小型化することに成功した。

Leによると、製造に至るまでにデザインだけで1年を要したという。これは変化の速い深センでは異例の長さだ。

xArmは、箱から取り出してすぐにモノを拾ってどこかに置いたり、カメラでタイムラプス動画を撮影することなどができる。全ての動作は基礎的なコーディングでプログラム可能だ。

Leによると、今後はSDKをリリースして外部の開発者がソフトウェアやコードを開発できるようにするという。xArmの開発者向けSDKは、Python、ROS、C++に対応している。また、付属品として吸引式グリッパーやパラレルグリッパーを販売する予定だという。「取り外し可能なアームを使えば、可能性は無限大だ」とLeは語った。

編集=上田裕資

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