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今年のホリデーカップ(photo courtesy of Starbucks)

スターバックスは1997年以降、毎年のホリデーシーズンに合わせて新たなデザインのカップを発表してきた。1999年に初登場したお馴染みの赤いカップを含め、ほとんどのホリデーカップは赤色がベースのデザインとなっており、スターバックスはこの色で知られることとなった。

スターバックスは今年のカップで路線を変更し、ストライプ、アーガイル、炎、ヤドリギという4種類の新デザインを発表した。新デザインに対する消費者の反応は、しばらく様子を見てみないと分からない。

2015年にホリデーシーズンのシンボルを排除した赤一色のカップが登場した時には、多く人がクリスマスやキリスト教に対する攻撃だと感じ、論争が起こった。スターバックスは今年、過去のデザインに憤慨した消費者をなだめ、喜ばせようとしているようだ。

一番重要なのはカップの中身であろうにもかかわらず、なぜ私たちは毎年、ホリデーカップの新デザインにここまで注目するのだろうか? ブランドが持つ力は重要であり、スターバックスは強力なブランドを持っている。

ブランドは、私たちのアイデンティティーや自己表現にとって大切だ。自分がどんな存在であるかを理解し、そのアイデンティティーを他人へ伝える手段となる。ホリデーカップの伝統は、スターバックスというブランドを人々の心に印象づけ、顧客忠誠心を生み出すひとつの方法になっている。

スターバックスは米国で、毎年レイバー・デー(労働者の日)の前後にパンプキン・スパイス・フレーバーを発売するなど、新たな季節の訪れを知らせる存在としての地位を確立している。赤いカップが消費者に好まれる背景には、ホリデーシーズンの伝統など複数の要素があるかもしれないが、見慣れた緑のロゴとは対照的で心に残るデザインであることが人気の理由のひとつなのかもしれない。

強力なブランドには顧客を引きつけておく力のあることを、企業は理解している。例えばナイキのロゴマーク「スウッシュ」は、顧客が持つ一流のパフォーマンスに対する欲求や向上心と共鳴する。最近店名から「ドーナツ」を取り除いたダンキンは現在、スターバックスと同じくエスプレッソをベースにしたドリンクを全米で販売している。

しかしダンキンのブランドが打ち出しているイメージは、コーヒーを実用的な“燃料”として売り出すものだ。一方のスターバックスは、コーヒーを飲むという体験に焦点を当てたもので、オーダーする際に「ベンティのノンファット・マキアートをエクストラショットで」などといった独自の“言語”を使うことによってもこの体験が高められている。

編集=遠藤宗生

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