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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

インタープリター 和田夏実

2050年、私たちの生活はどうなっているのだろう。

そんな疑問から、Forbes JAPANは各分野のビジョナリーリーダー、学者、アーティストと「未来を見通すメソッド」を考える特集「BEST VISIONARY STORY」を実施。「暮らす」というテーマで京都大学学長の山極壽一氏、「遊ぶ」というテーマでチームラボの猪子寿之氏など、各分野の有識者に未来予想図を聞いた。

「2050年の“伝える”」というテーマでは、ろう者の両親をもち、手話を“第一言語”として育ったインタープリター(通訳者/解釈者)の和田夏実に話を聞いた。本記事は、本誌掲載のロングバージョンでお届けする。

「人はもっと触れ合うようになる」と2050年を予測する彼女が考える、未来のコミュニケーションの形とは。

──和田さんは様々な言語やコミュニケーションの可能性を追究されていますが、今もっとも気になるコミュニケーション方法や分野は、何ですか?

「触れる」コミュニケーションですね。たとえば子供って、身近な人にくっついてくることが多いじゃないですか。恋人であれば日常的に手をつなぐ人も多い。

それらは広く捉えると、何かを伝えたいからする行為ですよね。そこで、もしかすると友達同士でもくっついたり手をつないだりしたほうが伝わることがあるかもしれないと仮定します。

恋人同士が手をつなぐことで相手の緊張や愛情を感じ取るように、友達同士で手をつないだまま美術館の展示を巡ったり、映画を観ることで初めて共有できる感動があるかもしれない。

手だけではなく、背中同士をくっつけることで伝わってしまうことだってあるのではないでしょうか。意志を持って発する「声」に比べると、かなりニュアンスや温度ごと感情や想いが“伝わってしまう”方法ともいえそうです。そう考えると、「触れる」というコミュニケーションは面白いんです。

「どうしても手を使って伝えたい」と思うことが人々の中で増えてきたら、「触れる」という行為はもっと身近で普通のことになると思います。


「触手話(解読手話)」は互いの手を取り合って行うコミュニケーションの方法

──触れるという行為は、好みが分かれそうな気もします。

そうですね。生理的なところにとても近い伝達手段なので、触る・触られる行為自体に対する合う・合わないはあると思います。

ただ、表現方法が増えればそこには特有のルールやマナー、丁寧さの判断基準などが生まれると思うんです。「こう触られたほうが伝えやすい」といった好みもそれぞれあるでしょうし。

たとえば、手話を手で触って読み取る「触手話(解読手話)」を扱う知人に、「触るのが上手」な人がいて。要は、相手が手話をする手をとても丁寧に触って細やかに読み取ってくれるんです。

それって言語でいえば、言葉遣いが丁寧だったり、敬語が上手だったりすることと同じだと思うんです。

文=鈴木梢 写真=馬場加奈子

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