なかなか厳しい状況を数字とともに確認したところで、では実際にアクションをとなった時に知っておきたいのが「3R」。3Rとは、「Reduce リデュース」(減らす)、「Reuse リユース」(再利用する)、「Recycle リサイクル」(再び資源として活用する)という3単語の総称です。
優先度は、リデュース→リユース→リサイクル。私たちに一番馴染みがあるのはリサイクルですが、実はリデュース、リユースの方が環境問題の解決には重要なのです。
東京 荒川の河川敷の様子。プラスチックゴミが人ごとではないことを痛感させられる。(協力:東京農工大学 水環境保全学研究室)
「日本のプラスチックリサイクル率は、統計上80%超えで優秀に見えるんですが、実はプラスチック素材に作り替えられるものは、全体の23%しかありません。残りは燃やしたりガス化したりしてエネルギーとして回収しています。ですから、何でもかんでもリサイクルをするのではなく、まずは蛇口を閉める=ゴミを出ないように努めることが大事ですし、エコバッグに代表されるような繰り返し使えるものを広めて、使い捨ての文化を見直さないといけません」(石原氏)
さらに東京農工大学の大垣氏によると、リサイクルのための収集運搬費用は年間1200億円も掛かっており、40万人の都市のゴミ焼却炉を新設しようとすると100億円がかかる。燃料として燃やせばCO2も排出され、リサイクルはコスト的にも環境負荷的にも決してベストな選択肢ではなさそうです。
私たちの生活に直結する、リデュース(減らす)やリユース(再利用する)を心がけていく必要があることが理解できます。
減らすべきは「使い捨てプラスチック」
では実際に、プラスチック製品と向き合う際に気をつけるべきことはなんでしょうか。
「すべてのプラスチックが悪だとは思ってないんですよ。僕らが今問題視すべきなのは、使い捨てのプラスチック」と明確にしたうえで、レフェルヴェソンスの生江氏は、「環境負荷の高さはもちろんですが、重要なのは人々のマインドの欠如。簡単に手に入って、捨てられるので、物を大事にしようという感覚が薄れてしまっている。結果的に使い捨てのプロダクトが増える、という悪循環が生じているのではないでしょうか」と語ります。
千葉県にあるオーガニック製品を扱う「AMBESSA & CO.」の大麦とライ麦のストロー。プラスチック製が一般化する前は、麦わら(straw)そのものが利用されていた。
確かに、いま話題のストローに始まり、レジ袋、テイクアウト用容器など、パッと思いつくだけでも私たちの日常は使い捨てのプラスチックで溢れています。それらを例えば、ステンレス製のストローやエコバッグにすれば、ゴミの量が減るだけでなく、むしろ暮らしが丁寧になり、生活の質が上がりそうです。