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I write about the growing "industry" of social innovation.

Larina Marina / Shutterstock.com

2015年、ニューヨーク州のコルゲート大学の学生たちが女優で起業家のジェシカ・アルバや、M.C.ハマーたちにプレゼンを行なった。彼らが考えたアイデアはペットボトルから再生したプラスチック素材で、水着をつくるというものだった。

提案を行なったのは当時21歳のジェイクと18歳のキャロラインの兄妹だった。2人は海の近くで育ち、ペットボトルによる海洋汚染問題の深刻さを自覚していた。彼らのアイデアはイベントで賞をとり、2万ドルの賞金を獲得した。

その後、2人が創業したスタートアップ「Fair Harbor Clothing」は、さらに2万5000ドル近くの支援金をキックスターターで調達した。彼らが販売するボードショーツや女性向けの水着には、1アイテムあたり平均で11本のペットボトルから再生されたプラスチック原料が使用されている。

「世間の大半の人は知らないが衣類の原料のポリエステルはプラスチックから作られる。これからはゴミとして捨てられていたペットボトルを利用して、ファッションとして提案していきたい」とジェイクは話した。

2人はこれまでアメリカ東海岸のビーチで累計200回のトランクショー(トランクに服をつめた即売会)を行なってきたという。この試みを通じ、ペットボトルが環境に与える影響を人々に知らせている。

ジェイクとキャロラインたちは子供時代、夏になるとロードアイランドのビーチを訪れていた。大人になるにつれ、プラスチックごみがビーチに増えてきたことに気づいた。ジェイクは大学で環境問題を学び、この問題が非常に重大なものであることを知った。

「その後、キャロラインとともに自分たちで出来ることをやろうと話し合った。ビーチで育った僕たちが、水着を作ろうと考えたのは自然な成り行きだった」

Fair Harborのプロダクトには再生プラスチックだけでなく、ココナツの皮をくだいた原料も含んだものもある。ジェイクによるとココナツの皮には抗菌作用があるため、水着の素材に適しているのだという。

ボードショーツやトランクスの原料の80%は再生プラスチックで、残りはコットンやスパンデックス繊維が使用されている。今夏発売する女性向け水着は、88%が再生プラスチックで出来ている。

人類がこれまで生産したプラスチックは93億トンにも達するが、そのうち再生利用されているのはわずか9%というデータもある。海に流れ込んだプラスチックごみは400年間もの間、分解されずに残り続ける。

先日、カナダで開催されたG7サミットでは、英国やフランス、ドイツ、イタリア、カナダの5カ国とEUがプラスチック規制強化を進める「海洋プラスチック憲章」に署名したが、米国と日本はこれに署名しなかった。

この問題を解決に導くために重要な役割を果たすのは、政治家たちではなく起業家なのかもしれない。

編集=上田裕資

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