──最後に今後の展望について教えてください。
まだまだこれからですけど、年間換算で流通総額が1億円くらいの規模にはなってきました。今はサンフランシスコを中心にロサンゼルスやニューヨークで展開しているのですが、これをアメリカの別の都市、そして世界中に広げていくというのが次の目標です。
また「住をフレキシブルにする」という観点では、もっとサービスの付加価値を上げるためにやりたいことはたくさんあります。たとえばホテルだと洗濯機やキッチンがないといった不便もある。そこでオンデマンドの洗濯サービスや食事のデリバリーサービスと提携することで、もっと良い体験が生み出せるはずです。
スタートはホテルですが、最終的には普通の賃貸もよりフレキシブルにして、新しい選択肢を作っていきたいと考えています。
もちろん日本人の自分がアメリカで大きな事業を作るというのは、簡単なことではないとわかっています。ただ、一例をあげると、「ZOOM(ズーム)」というユニコーン企業の創業者であるEric S.Yuanは中国からの移民。彼は今年「Glassdoor(グラスドア)」という求人系の口コミサイトで、CEOランキングのトップに選ばれています。
自分も負けてられないですし、日本人でもできないことはないと思うんです。失敗もするでしょうし、もしかしたら10年、20年かかるかもしれない。でもそれと引き換えに良いプロダクトをつくれれば、サンフランシスコなら大きく成長できるチャンスもある。
人生を賭けて、世界中で愛されるプロダクトを作り上げたいと思っています。
Forbes JAPANはアートからビジネス、 スポーツにサイエンスまで、次代を担う30歳未満の若者たちを表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」を、8月22日からスタートしている。
「Business Entrepreneurs」カテゴリーで選出された、Anyplaceの内藤聡以外の受賞者のインタビューを特設サイトにて公開中。彼ら、彼女たちが歩んできた過去、現在、そして未来を語ってもらっている。
内藤 聡◎1990年山梨県生まれ。大学卒業後に渡米。サンフランシスコで、いくつかの事業に失敗後、2017年にホテル賃貸サービスのAnyplaceをローンチ。同年ウーバーの初期投資家であるジェイソン・カラカニス氏から投資を受ける。