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前回の水に関するコラムでは、引かれること覚悟で過剰気味な健康行動を公開したところ想像以上の反響がありました。そこで今回も、「健康的な活動を詰め込みすぎて休む時間がなく、不健康になりそうだよね」と言われることがある日常生活の一端をお伝えします。

 そもそも私がなぜ健康好きになったかというと、きっかけは20代前半のころ。図書館にこもって300冊以上の健康本を読みあさり、心と身体に良さそうな運動・食事・睡眠に関する健康術を実践したところ、15kg減量できたり、メンタルが頑強になったりと、その反応の面白さに気づいたからです。

そんな健康的なライフスタイルの楽しさを多くの人に伝えたい!ということで、渋谷のラジオ番組「渋谷でケンコー」で毎週専門家を招き、特にオススメしたい健康術を発信していますが、今回は60人を超えるゲストとの話で、最も私の行動変容を起こした「呼吸」について、呼吸の師匠である森田愛子さんに伺った内容を中心にご紹介します。

呼吸が整えば疲れにくくなる

無意識に行っている呼吸に対して行動変容というのも妙ですが、呼吸は実に奥が深く、私はここ2年ほど呼吸スキルの向上に取り組んでいます。

呼吸スキルとは何かというと、呼吸の質と呼吸が整えられている時間の割合だと考えています。質の優劣を決めるのは呼吸の位置(深さ、浅さ)で、慌てたり緊張したりすると呼吸は浅くなります。呼吸が浅い状態では息遣いが荒くなり疲れやすくなります。例えばみなさんも、面接やプレゼンが終わった時にどっと疲れたということはありませんか? 

私は呼吸を深くすることを意識するようになり、2年前と今では講演後の疲れが歴然の違いです。ラジオの放送でも、呼吸を深く保てているときは終了時の疲労感が少なく、生まれつきの早口も抑えられています。放送の終盤、熱くなるとつい猛烈に早口になってしまうのですが。

 また、呼吸を深くといっても緊張する場面の直前にだけ深呼吸をしてもあまり意味がないということに気づきました。というのも、一般的に考えられている深呼吸では、顔を上げ、胸を張るといった動作により体が緊張するため、むしろ呼吸が浅くなりやすいのです。また、仮に正しい深呼吸ができたとしても、毎日2~3万回行っている呼吸のクセを直すことはできないからです。

大切なのは、正しい呼吸法をきちんと理解し、実践することで、日頃からできるだけ深い状態でいられるようにすることです。

呼吸を深くする2つのコツ

呼吸を深くする方法はいろいろありますが、日常生活の中で呼吸が浅くなりやすいポイントを知っておくことがひとつのコツです。

以前、どんな時に呼吸が浅くなるのか観察してみたところ、浅くなる前には一瞬呼吸を止めていることがわかりました。私の場合は、例えば、細字のボールペンで字を書くときでした。他にも歯ブラシを使うときや慌ててメールを返そうとしているとき、イスに座ろうとするとき、(滅多にいないですが)苦手な人と話すときなどに呼吸を止めやすいことがわかってきたので、いずれも意識的に息を吐くようにしています。
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文=平井孝幸

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