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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

スズキ ジムニー

大きな4WDにできることは、新ジムニーだってできる。この車は4WD界のブルース・リーだ。小柄だが、無駄がなく身体能力は抜群。適応性とバランスに優れているので、あらゆるタフな状況にも分け入り、勝者として生還する。

そんな4代目スズキ・ジムニーは、日本で今注文しても納車は年明け以降になってしまうが、それでも「絶対に欲しい!」という声があちこちから聞こえてくる。どこへでも行けるこの小型4WDは、上陸まではまだ数カ月後というヨーロッパ市場でも、スズキ社の期待どおりに関心が高まっている。

人気の理由の1つは、そのボーダーレスでレトロなスタイリングだ。初代ジムニーが登場したのは1970年。それから48年が経った今、4代目が現れたのを見れば、モデルサイクルがいかに長いかがわかる。今回は満を持して、四角い形に大幅な改良を加えて、20年ぶりの登場となる。

つまり、スズキには、どこを改良すればみんなが喜ぶパッケージングになるか熟考する時間がたっぷりあった。メルセデスGクラスやランドローバー・ディフェンダーを思わせて臆することない箱形のボディと、どこへでも行ける強靭さ、そして手頃な価格が世界の関心をひき付けている。

この小さなSUVのほぼすべてが、「マーケットの望むところを的確に体現している」と言うのはチーフ・エンジニアの米澤宏之。そして、「品質と機能は改善しつつ、シンプルに徹した」と言う。

「ユーザーが求めているのは、結局オフロードでの実力です。FRレイアウトのラダーフレーム構造の車体は維持しつつ、オフロードの走破性を強め、しかも乗り心地のレベルを上げました」



先日、富士山の周辺で、公道とオフロード両方試乗し、僕は米沢氏がゴールを達成したなと納得した。

小型の巨人のエンジンは2つ用意されている。エントリーモデルのジムニーには大きく改良された3気筒660ccターボが搭載されるが、フラッグシップのジムニー・シエラには新開発の4気筒1.5Lがつく。現行の軽エンジンをベースに、スズキは圧縮比をアップさせ、ローングストローク化とともに、インテイク側に可変 バルブ・タイミングを加えた。それが、64ps、96Nmのトルクを発揮する。

実は、このトルクは現行型より7Nm下がってはいるものの、パワー自体は変わりなく、エンジンに磨きがかかったおかげでスロットル・レスポンスはよりシャープに、そして低中速トルクはより強力になっている。僕が特に気に入ったのは、シフトするたびにブルブルブルと聞こえてくるターボのウェイストゲート音。まるでブルース・リーのあの声のようだ。

一方、ジムニーシエラに搭載されたのは、新型エンジンだ。これまでの1.3Lガソリン・エンジンに代わって、スズキが選択したのは新しい自然吸気の1.5L。これは4気筒で、102psを発揮し、トルクは130Nm。これは、1.3Lのエンジンに比べて14ps、12Nm増強されていて、この違いは端的に現れている。

言うまでもなく、ジムニーは速い車ではないけど、それでも低中速トルクは太くなったので、どんな傾斜地も、凸凹な路面も走破できるし、ある程度の川なら渡ることもできる。特に中速域あたりの走りは気持ちがいい。 主に欧州市場をターゲットとするシエラは、他にもかなり洗練されている。どのエンジンでも、5速M/Tか4速A/Tを選択できるエンジンは、軽量化され、パワフルになり燃費も向上している。

文=ピーター・ライオン

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