本企画では、「Business Entrepreneurs(起業家)」「Social Entrepreneurs(社会起業家)」「The Arts(アート)」「Entertainment & Sports(エンターテイメント&スポーツ)」「Healthcare & Science(ヘルスケア&サイエンス)」の5つのカテゴリーを対象に、計30人のUNDER 30を選出した。
選出にあたっては、各カテゴリーごとに第一線で活躍するOVER 30を迎え、アドバイザリーボードを組織。彼らに選出を依頼した。
「Business Entrepreneurs」部門のアドバイザリーボードのひとりが、heyの佐藤裕介だ。
26歳でグーグルを退職後、フリークアウトとイグニスの2社を起業。わずか4年で両社とも上場させるなど、新進気鋭の経営者として知られる佐藤。現在はコイニーとストアーズ・ドット・ジェーピーの経営統合により生まれた、新会社heyの代表として働きつつ、エンジェル投資家として若手スタートアップに投資を行っている。
経営者の「新たなロールモデル」として注目されている佐藤は何を考え、20代を過ごしていたのか。グーグルで働き、創業した2社を上場させ、いまはheyの代表を務める。順風満帆と言えるキャリアを歩んできた佐藤が、苦悩や葛藤を味わったことはあったのか──「30 UNDER 30」の発表に先立って、佐藤に自身の20代を振り返ってもらった。
僕は普通の大学生。起業家になりたいなんて思ってなかった
学生時代の佐藤裕介
20代の頃。僕はほんとに一般的な大学生でしたよ。お昼頃に起きて動画配信の仕組みを開発をしながら、夜はご飯を食べて、お酒を飲んで寝る。“THE・大学生”と言ってもいいくらい普通の日々を送っていて。全然、特別な活動をしている大学生ではありませんでした。
プログラミングに興味を持ち始めたのは……確か中学生くらいですね。当時、ゲームの攻略掲示板みたいなものをつくりたくて勉強を始めたんです。「プログラミングが勉強したかった」というよりは、つくりたいものをつくるための手段として勉強する。そんな感覚です。
その後も自分がつくりたいと思ったものをどんどんつくっていきました。在学中に立ち上げた事業もそのひとつです。当時、はまっていた趣味があって、「自分の趣味とインターネットを掛け合わせたらどうなるんだろう」という好奇心から生まれたサービスです。
趣味で使っていたとある製品をメンテナンスして売れば、利益が出る。その利益が新しい製品を購入するときの足しになる。この一連のフローを効率よくやるために、そのサービスが必要だと思い、開発しました。最初は自分のためだったんですけど、運用していくうちに友人たちから依頼がくるようになり、取り扱う商品数が増えました。