ロナウドが「マドリードにいられたのは素晴らしいことだった」という過去形での発言でサッカー界を驚かせたのは、レアルが5月、欧州サッカー連盟(UEFA)チャンピオンズリーグで2年連続となる優勝を決めた直後のことだった。
6月に入り、FIFAワールドカップ(W杯)ロシア大会が開幕すると、注目はポルトガル代表としてのロナウドの活躍に集まった。だが、同国がベスト16で敗退すると、ロナウドのユベントス移籍の可能性に関する報道は急速に加熱した。
こうしたうわさを受け、ユベントスの株価は値上がり(6月29日から7月5日までに20%を超える上昇)。また、同チームがロナウド獲得に伴う費用をどのように賄うのかという点についても関心が高まっている。
フォーブスは先ごろ、ロナウドがレアルから受け取る給与はボーナスを含め、年間およそ6100万ドル(約67億5500万円)に上るとの調査結果を公表した。バルセロナのリオネル・メッシがチームから受け取る額を、2000万ドル以上下回っている。
ロナウドがユベントスに対し、メッシと同水準の給与を期待するのは当然のことだろう。ただし、それを実現すれば、ユベントスの賃金コストは約40%増加。現在の年間およそ2億ドルから、2億8000万ドル以上となる。ロナウドの給与は、現在の所属選手らの平均額の12倍となる計算だ。
ユベントスが33歳のロナウドに提示したとされる1億2000万ドルの移籍金と4年の契約期間を基に計算すると、同チームはこの支出を無形固定資産として計上し、年間3000万ドルで償却していくことになる。
必要な資金は、どのように調達するのだろうか?ユベントスの収入は増加が見込まれるだろう。だが、チームの試合は今でもほぼ常に満員の観客を集めている。テレビ放映権料による収入は、即座に増加するわけではない。たとえ増えたとしても、それはセリエAのその他のチームと分け合うことになる。