実は創造力は、生来の素質よりも修得可能なスキルに近い。創造力を"基本的な前提に基づいて概念を拡張する能力"とするなら、こうした類いの外挿行為はパターンの観察に依るものであり、従って鍛えることが可能なものだと言える。
スタンフォード大学の起業プログラムを率いるティナ・シーリグ教授は、ビジネス・ニューズ・デーリーの記事で、このコンセプトをこう分析している。「中核となるのは、さまざまな視点から問題を観察し、概念同士を連結・結合し、旧来の仮定に挑む能力。これらは、熟達するのに修練を必要とするスキルだ」
では、誰でも創造力を高めることのできる方法を探求してみよう。
1. パターン認識を練習する
創造力を鍛えるひとつの方法は、観察対象のパターンを認識することだ。例えば、推理小説を何冊も読むと、使われるモチーフの数は限られていることに気づき、同じような設定の物語の結末を予測できるようになるだろう。
もちろん、パターンを見出す速度が他より速い人もいる。しかしパターン認識能力は、数学や自然、芸術を学ぶ過程でさまざまな方法で鍛えることができる。
2. 楽器を学ぶ
楽器と、音楽を奏でる際の心身の協調作業は、創造力を高める。ピアノなどの楽器の基本的な指使いを修得するための練習は、大きな効果につながる。
創造力と音楽の練習との関係は、十分に実証されている。著名人ではアルバート・アインシュタインやオリバー・サックス、パウル・クレーなど多くの人が、自らの成功の一因は音楽に触れたことだったと語っている。
3. チェスをする
チェスが最も創造性の高い趣味だとは思えないかもしれないが、チェスには、駒のさまざまなポジションが生み出す驚くべき奥深さがある。序盤、中盤、終盤の全てに再現可能な特定のパターンがあり、各パターンを融合することで創造性の高い戦術が可能となる。
また、チェスプレーヤーは雄弁さ、独創性、柔軟性の点で他の人々に勝ることが、複数の研究で示されている。