日本産ウイスキーの「危機」について知っておくべき4つのこと

(Photo by Jeremy Sutton-Hibbert/Getty Images)


2. 日本人の「ハイボール愛」

日本の愛飲家の間では、ウイスキーをソーダ水で割るハイボールが大人気だ。シンプルな飲み方だと思うだろうが、日本人はこれを精密科学の領域にまで高めている──最高のハイボールをつくるには、使う水の種類、氷の形、どのグラスで飲むかまでの全てが考慮される。

サントリーが日本中のバーや飲食店にハイボールを売り込んだことも、人気の上昇に影響を与えた可能性がある。また、スーパーマーケットなどで販売されている缶入りハイボールも需要を押し上げ、蒸留所の在庫を限界まで圧縮させることにつながった。

3. TVドラマが需要増に拍車

NHKが2014年に放送、大ヒットとなった連続ドラマ「マッサン」は、ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝とその妻、リタ・コーワンのラブストーリーだ。リタは「日本のウイスキーの母」とされる。

このドラマの人気は、国内のウイスキーの販売量を急増させた。特に、ドラマをきっかけに女性の間でウイスキーの人気が高まった。

4. 「日本産」全てが日本製ではない

日本に輸入される外国産のウイスキーは、大幅に増加している。特に、日本のブレンデッドウイスキーには安価なスコットランド産のグレーンウイスキーが使われており、日本産ウイスキーの在庫の維持に一役買っている──これは、日本では100%合法だ。

米国、カナダ、スコットランドをはじめとする多くの国では、「何が本当のウイスキーか」についての厳格な法的要件がある。例えば、米国ではバーボンについて、スコットランドではブレンデッドモルトについての法的な定義がある。だが、日本のウイスキーにはそうしたものが存在しない。

日本で販売されている安価なブレンデッドウイスキーのほとんどには、外国産ウイスキーが含まれている可能性がある。ただし、そうしたウイスキーがおいしくないということではない。また、需要の多さを受け、小規模な蒸留所が造るようになった新しいウイスキーにも注目が集まっている。

編集=木内涼子

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