ネガティブなニュースとしては、「国内の大手仮想通貨取引所でハッキングが発生したのではないか」といった話がSNS上で広まった事が挙げられる。
18日の11時時点、金融庁のHP上で国内仮想通貨取引所への通達は出ていないが、積極的な買いを手控えさせる影響力は引き続き市場に残っている様子。韓国検察が韓国最大の取引所に家宅捜索を行ったというニュースと合わせ、取引所への警戒感が高まっている状況といえよう。
一方、米国では、ウィンクルボス兄弟が運営する仮想通貨取引所ジェミニが、NY州から仮想通貨Zcashの取り扱いを認められたと伝わったほか、CMEグループがイーサリアムのReference RateとEther-Dollar Real Indexの提供を開始と報じられている。国内でも、三菱UFJ銀行などがリップル技術を利用した国際送金の実証実験に乗り出すといったニュースがあった。
ポジティブなニュースに反応する場面も見られたが、ビットコインは100万円手前で失速するなど瞬間的な動きに留まった。背景には上記のようなネガティブな話の真相を確認したいという投資家心理があるのだろう。ただ、市場では思惑先行で10%超の調整を既に終えていることから、ネガティブなニュースが仮に発表されたとしても材料出尽くしとなる可能性は十分考えられる。
株式や為替市場と同じような「噂で勝って、真実で売る」といった展開になるのか判断難しい部分はあるが、80万円台半ばまでは下げる場面があるかもしれない。そうした状況となれば、押し目買いを狙いたいところだ。
テクニカルで見ると、80万円台半ばは、日足のボリンジャーバンド(標準偏差を利用し相場の行きすぎや方向性を分析するテクニカル手法、通常、20日移動平均線や25日移動平均線を使用するが、ビットコインは24時間、365日動いていることから30日移動平均線を使用)の-2σ(86.8万円)が位置している。
売りが売りを呼びオーバーシュートしても、-3σ(81.5万円)水準が一定の下げ止まりのポイントとなろう。短期的なリバウンドを意識した投資スタンスか。来週半ばまでは、82万円から95万円の広いレンジを想定したい。
連載:「仮想通貨」マーケット実況
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