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「仮想通貨」マーケット実況 

Lukasz Stefanski / Shutterstock.com

ゴールデン・ウィーク(GW)期間中のビットコインは、じりじりと上昇する動きとなり、5日には108万2000円(フィスコ仮想通貨取引所(FCCE))まで上昇した。目立った買い材料は観測されていないが、以前申し上げた需給面や、投資家心理の改善などが原動力となったと考えられる。

しかし、GW明けはやや売り優勢となり、一時100万円を割り込む場面がみられた。買いが続かなかった背景として、「1万ドルの壁」と「当局の新たな動き」があると筆者は考える。

「1万ドルの壁」は今更詳細を説明する内容でもないだろう。ビットコインは、株式や為替以上に価格帯を意識した推移を見せるケースが多いと感じる。これは、企業の業績や各中央銀行による金融政策、政策金利といった明確な物差しがビットコインをはじめ仮想通貨には存在しないことから、投資家のモメンタムつまり需給で価格が左右されることが多いことが要因だろう。

どの法定通貨(ドル、日本円、ユーロなど)の価格帯が意識されるかは、世界の主要取引所での価格を同じ法定通貨(筆者は日本円で統一)で比較した際、理解することができる。

今回のGW期間中、強い動きを示したのはドルベースだった。ドルベースのビットコインが常に日本円ベースの価格を上回る状態が続いていたことから、今回のじり高はドル主導だったと筆者は考える。

となれば、注目する水準は「100万円」ではなく「1万ドル」。今回は目立った買い材料に乏しい状況下、「1万ドルの壁」に跳ね返され恰好となった。こうした節目を前に利益確定の売りが出るのは、株式や為替市場でも往々にしてあるので、特に悲観的に捉える必要はないだろう。ただ、5月中旬辺りになると、昨年12月以降、下げ要因として強く意識されたCBOEやCMEで売買されているビットコイン先物のSQを迎えることから、「1万ドルの壁」突破は5月下旬辺りとなるだろう。

もう一点の「当局の新たな動き」とは、6日に一部大手メディアで報じられた「金融庁が交換業登録の審査を厳しくする」というニュースを指している。この内容は、事業者目線からすると、一部の登録業者とみなし業者に行った立ち入り検査等を踏まえての総括を行うことは当然の話だと考える。また、交換業登録のハードルが高まるという認識も、「利用者保護」「AML(アンチ・マネーロンダリング)」の観点を考慮すると当たり前の話だ。

しかし、既存の取引所に対して新たな行政処分などが発令されるのではないかとの思惑が一部で浮上。こうした思惑がネガティブ材料視され上値が重くなったと筆者は考える。今後も当局の監視が強まることで、事業者への指導は続く可能性は高いが、「利用者保護」「AML」の観点から、間違った状態は是正しなくてはならない。

仮想通貨業界として自主ルールの制定も進めなくてはならない。事業者としては是正を続け、利用者の信頼を得なくてはならない。規制は決して売り材料ではないと筆者は考えているが、まだまだネガティブに捉えられてしまう地合い、つまり本格的なブル相場ではないようだ。

近々、発表されるはずの当局の新しい指針を見極める必要はありそうだが、こうしたニュースでビットコインが下落したタイミングで少しずつ拾っていく戦略がベターだろう。明確な上昇トレンドが発生するには、まだ機は熟していないと考える。今後1週間の想定レンジは95万円から105万円のもみ合い相場を想定する。

連載:「仮想通貨」マーケット実況
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文=田代 昌之

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