レクサスLSとLCに見られる現行の代表的なデザインに比べて、LF-1の外観はよりドラマティックでオーガニックだ。しかしNXやRXのように過剰に強調されたエッヂはない。そして、注目すべきことに、レクサスは今、初めて世界で最もセクシーなSUVを作るカーメーカーの1つであるマツダに挑戦しようとしている。
カリフォルニア州にあるトヨタのデザイン・スタジオCALTYでデザインされたLF-1は、賛否両論のスピンドル・グリルやツリ目でエッジに効いた ヘッドライトなど、これまでのレクサスのデザインを受け継ぎつつも、それを刷新しようとしている。
たとえばルーフ後部のスポイラーは、ガラス製のルーフから見える景色を邪魔しないように中央で2つに分かれているし、張り出した3Dテールライトは有機的なスタイリングだ。
これらの部分は確かに美しいけど、果たしてそのまま市販車には応用されるのか。でも、市販化されるLF-1のデザインが少しおとなしくなっても、フォルムの美しさは残るはずだ。
このようにLF-1リミットレスは高級SUVの新しいフラッグシップを見据えていて、次世代のLXがどんなスタイリングになるのかほのめかしている。
レクサス・グループの副社長ジェフ・ブラケンは、LF-1を発表した今年1月のデトロイト・モーターショーで、「映画『リミットレス』のブラッドリー・クーパーが頭脳を100%活用できるように、私たちも限界に挑戦しようとしている」と語った。
その意味は、このコンセプトの細部をよく見ると納得できる。なにしろ、レクサスの「顔」とも言えるスピンドル・グリルが無限に後ろに伸びている感じがする。初めて再解釈されているのだ。
これまで前面にあったグリルが、ノーズからボネンット横を走り、Aピラー下まで伸びている。こんなふうにグリルを変えると、顔の印象が全然違ってくる。目を惹きつける力があると思う。デトロイトで同車を見たアメリカ人の同僚が「これが世界一セクシーなSUVだね。このまま出して欲しい」と言った。
また、有機的なLEDライトもユニークだ。ドアの表面にスッキリと収まっているドア・ハンドルは、キーを持ったオーナーがクルマに近づくとポップアウトするようになっていて、ヘッドライトはそれと同期して色気たっぷりの勢いで点灯する。まるでオーナーを歓迎しているような、革新的なフィーチャーじゃないか。飼い主が戻ってきたのを喜んで仔犬がシッポを降っているようで、ちょっといい気分にさせてくれる。