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Vytautas Kielaitis / Shutterstock.com

スペイン発のファストファッションブランド「ZARA(ザラ)」は、拡張現実(AR)を体験できる店舗を増やし、ミレニアル世代の消費者を実店舗に引き寄せている。

消費者の好奇心をかき立てることは、マーケティングにおいて最も強力な「プル戦略」(買い手が自発的に売り手にアプローチするよう仕掛けるマーケティング)だ。ザラはその他にも数多くの方法で、消費者を引き付けることに成功している。

比較されることが多いザラとH&Mについて調べてみると、これらのブランドの本質的な違いは主に、マーケティングに対する全体的なアプローチから生じていることが分かる。H&Mは現在でも、マーケティングの古いモデル「4P(製品、価格、販促、流通)」にとらわれている。これは、企業とブランドを中心にした考え方だ。

一方、ザラはマーケティング戦略に関する新たなモデル「4E」を取り入れている。Eはそれぞれ、「Experience(体験、製品に代わる)」「Exchange(交換、価格に代わる)」「Evangelism(伝道、販促に代わる)」「Every Place(あらゆる場所、流通に代わる)」を示す。これは、顧客を中心に置いた考え方だ。

ニューヨーク州立ファッション工科大学のシェリー E. コーハン助教はザラがマーケティングのコンセプトとして採用する4Eについて、次のように分析している。

顧客体験が最重要

最も重要とされてきたのは、以前は製品だった。だが、現在の新たなリテールエコノミーにおいては、消費者にとって重要なのは製品よりも「体験」だ。

顧客が店内でより迅速かつ効率的に気に入った商品を探し、見つけられることがより良い体験になる。コーハンによれば、「ザラはそれを実現している」。

提供する価値との交換

20世紀には廉価大量販売に基づく価格設定が広く受け入れられていた。だが、新しい体験経済の下では、最も受け入れられるのは「交換」の概念だ。

ザラは自社が顧客と交換する価値提案について、よく理解している。提供できるファストファッションがそれを必要とする顧客にとって必要な数量と形、タイミングで手に入ることが、顧客にとっての大きな価値となる。

「小売業者は、変化する消費者に順応しなくてはならない。現在の消費者の最大の特徴は、価値を重視する点だ。そして、その価値は現在、価格だけではなく時間や利便性によっても判断される」

編集=木内涼子

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