ビジネス

2018.04.29 17:00

ZARAの成功を支えるマーケティング戦略と4つの「E」


ブランドの伝道者をつくる

ザラは、ブランドの体験を有意義なものとし、交流を価値あるものにすることで、顧客がブランドについて情報を広めてくれる可能性を引き上げている。積極的にマーケティングを推進するよりも、顧客を引き込み、インフルエンサーとなってもらうことで、事業の改善とサービスの向上、製品開発に役立てているのだ。また、インフルエンサーたちによる口コミで情報が広がることも後押ししている。

「ザラの顧客の来店頻度は、これまで婦人服ブランドついて言われてきた割合と比べて2~3倍高くなっている。つまり、ブランドに対する顧客の忠誠度が非常に高いということだ」

ブランドの伝道者となるのは、こうした顧客だ。自分の持つネットワーク上で、ザラに関する体験の情報を広めてくれる。ザラのフォロワーはフェイスブックが2500万人以上、インスタグラムが約1600万人、ツイッターが約100万人となっている。

顧客が必要する全ての場所に存在する

コーハンによれば、ザラはオンラインとオフラインの販売戦略を同期させるために多大な時間と費用、リソースを費やしてきた。ザラは現在、93か国・地域に合わせて2213店舗を展開するほか、39のオンラインマーケットでの販売を行っている。旗艦店は、最も忠実度の高い顧客にアピールできる場所に展開している。

顧客が全て

ザラは多様性、尊重、機会の平等、ワークライフバランス、専門能力の開発について、企業として独自の取り組みを行っている。勤務先とのエンゲージの程度が高い従業員は、顧客とのエンゲージも度合いも高くなる。

親会社であるインディテックスの従業員の60%以上は30歳以下で、ターゲットとする消費者層と一致している。そのため、顧客とザラは協力し合う関係を作りやすい。顧客はザラにとって、事業に関するあらゆる面についてのフィードバックを提供する「最高顧客責任者」の位置づけにある。

編集=木内涼子

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