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スポーツ心理学で紐解く心の整え方

Photo by Kiyoshi Ota - JL/Getty Images for DAZN

私は、ジャパネットたかたの企業トレーニングでお付き合いさせていただいて久しい。私が慶應病院の内科医を辞め、応用スポーツ心理学を専門にしてメンタルトレーニングを生業とすると決意し、「スラムダンク勝利学」を初めて執筆したのが20年ほど前になる。

この拙書をジャパネットたかたの人事の方がお読みになり、メンタルトレーニングに興味を持っていただいたのをきっかけに、社員の人財教育を一緒にさせていただくことになった。

髙田明社長や人事グループの方々と試行錯誤しながら、毎月長崎の佐世保に通い、全従業員のメンタルトレーニングを進めていく。トレーニングの対象は、取締役からテレビ部隊、営業部隊、様々なチームのリーダー、新人、中途など多様で、みなで心を整え質の高い仕事を自己責任として全うできるようセルフマネジメントの力を徹底的に養っていった。

それぞれ役職や立場は違ったが、心の状態を整えることは、個人はもとより、チームにおいてもパフォーマンスの質を高めるために重要だという考えのもと、全力でサポートさせていただいたのだった。

個人・チームとしてのパフォーマンスを最大化するには、「ご機嫌力」をスキル化することが非常に重要である。そのためにはまず「ご機嫌力」とは何かを知ることから始まるが、それだけではスキル化して再現性をもつには程遠い。

通常のセミナーがスキル化しないのは、往々にして知識レベルで完了しているからである。学んだこと・知ったことを自分の骨肉にするためには、日常生活で意識するトレーニングが必要。日頃から意識することによって感じる体感を、仲間同士でシェアしていく。

メンタルトレーニングは、心理学の知識の単なるセミナーとは違う。スキル化することを目指しているので、知識を超えて意識、体感、シェアのプロセスを強化していくのだ。

一方で、多くの人が日々の仕事に忙殺され、不機嫌な状態に陥りがちである。その時の脳は、過去や未来に奔走し思考が散らばっている「タイムワンダリング」という状態だ。このような脳の状態のままだと、自ずと不機嫌になり、パフォーマンスの質は間違いなく低下する。

しかし、基本的に人間の脳の構造はこの特徴を持っているため、日々不機嫌を生み出す仕組みになっている。それを少しでも減らし、心を整えるために「ご機嫌力」としてのライフスキルを身につける必要があるというわけだ。

ジャパネットたかたの会社ではこのライフスキルを磨いて、質の高い仕事を全従業員が大切にしている。それは経営者が代替わりしたいまも同じだ。

文=辻秀一

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