米ユニゾンが先ごろ発表した報告書によると、同国では主要都市のほぼ全てにおいて、過去10年にわたり住宅価格が上昇。特に沿岸部の大都市での高騰ぶりは過去に例がない水準となっており、サンフランシスコやシアトルでは昨年、前年比およそ10%の上昇を記録した。
価格の上昇に加え、住宅購入を検討し始める世代の多くにとって頭痛の種となっているのが、学生ローンの返済だ。全米リアルター協会によれば、昨年中に初めて住宅を購入した人の41%が、学生ローンを抱えていた。
ユニゾンは住宅購入者が資金面で直面する困難についての現状を明らかにするため、主要都市の賃金と住宅価格の中央値を調査。最も多額の収入を得る必要がある都市、つまり家を持つのが最も難しい都市とそうでない都市を割り出した。
その結果、住宅の購入が現在、最も難しいのはニューヨークであることが分かった。中央値に当たる価格の住宅を購入するのに必要な年収は41万8000ドル(約4475万円)。頭金を価格の10%とし、年収の5%を貯蓄に充てた場合、中央値に当たる給料を12年間かけて貯める必要があるという。
次いで高額の給料が必要になるのは、サンフランシスコ(同34万9650ドル)、3番目はボストン(同19万9755ドル)。一方、最も手ごろな価格で住宅が購入できる都市は、デトロイトだった。およそ年収8328ドルで、戸建てまたはマンションを購入することが可能とされている。
米国の各都市で平均的な住宅を購入するのに必要な年収(一部の都市のみ紹介)
・ニューヨーク:41万8482ドル
・サンフランシスコ:34万9650ドル
・ボストン:19万9755ドル
・ロサンゼルス:18万7306ドル
・シアトル:17万1575ドル
・ワシントンD.C.:15万5339ドル
・デンバー:9万5360ドル
・マイアミ:7万3315ドル
・シカゴ:6万4948ドル
・ラスベガス:5万7894ドル
・ダラス:4万8887ドル
・デトロイト:8328ドル