リップルの共同創業者でエグゼクティブ・チェアマンのクリス・ラーセンは2月のランキングでトップに立ったが、当時75〜80億ドル(約8500億円)とされた資産が今では30億ドル(約3190億円)程度にまで減少した。リップルが発行する仮想通貨「XRP」は大きく値を下げている。
同社は先日、100社以上の金融機関が「リップルネット・ブロックチェーン・プラットフォーム」を用い、トランザクション速度の向上に役立てているとアナウンスした。しかし、XRPの価値は過去2ヶ月で3分の1にまで下落した。
リップルの初期投資家で個人投資家のマシュー・メロンの資産額も大きく減少した。1月に10億ドル近かった彼の資産は、今では3億ドルから4億ドルとされている。
「Winklevoss Capital」の共同創業者で仮想通貨取引所「Gemini」を運営するウィンクルボス兄弟も、2ヶ月で約3分の1の資産を喪失した。1月末時点でフォーブスは兄弟の資産額を各自9〜11億ドルと算定していたが、現在では6〜7億ドルのレンジであると見込んでいる。
ウィンクルボス兄弟は、2012年からビットコインへの投資を始めた仮想通貨業界のエヴァンジェリストだ。タイラー・ウィンクルボスは2月にニューヨークで開催された「American Museum of Finance」主催のイベントで、「今年はウォールストリートの人々が仮想通貨分野に押し寄せてくる」と述べていた。
イーサリアムの創始者であるヴィタリック・ブテリンも、仮想通貨イーサの値下がりにより資産を半分以下にまで減らし、現在の資産額は1〜2億ドルと推定されている。イーサリアムのプラットフォームでは次々と新たなプロジェクトが立ちあがっているものの、イーサの価値はかつての約1000ドルから、現在は400ドル以下にまで下がっている。
仮想通貨市場は2017年夏の水準と比べると、現在も大幅な高値水準を保っている。しかし、2018年に入ってからは大幅な下落に直面した。投資企業「Blockchain Capital」の共同創業者のBart Stephensは、フォーブスの取材に次のように述べた。
「今後、政府や金融当局の締め付けがさらに強化される可能性が懸念材料となっている。米国政府が規制を進め、取引所が圧力にさらされることになれば、仮想通貨の流動性は減少する」とStephensは述べる。
「不確定要素が高まるなかで、相場の下落が続いている。規制の先行きが不透明な中で、投資をためらう人々も増えている」とStephensは続けた。
ニューヨークの仮想通貨ヘッジファンド「Tetras Capital」のAlex Sunnarborgは、新たな資金の流入が停滞していることが相場の下落を招いていると指摘する。「昨年秋の相場上昇は一般投資家の資金が大量に投入されたことが引き金となった。価格を維持するためには、さらなる資金の流入が必要だ」
Sunnarborgによると「当時、人々は間もなく大量の機関投資家のマネーが流入すると期待していた」という。しかし、それは実現には至らなかった。