現在、仮想通貨市場には1500種類ものコインが存在し、時価総額の合計は5500億ドル(約60兆円)。その規模は2017年の初頭から31倍に膨らんだ。個々のコインの価値は激しく変動しているが、ブロックチェーンを基盤とした仮想通貨が膨大な富を生み出したことは確かだ。
今回のランキングで1位に立ったのは、リップルの共同創業者で元CEOのクリス・ラーセン。リップルはXRPと呼ばれるトークンを発行しているが、ラーセンは2018年1月時点で52億XRPを保有していた。リップルの価値はその後65%急落したが、ラーセンの資産額は現在、75〜80億ドル(約8200〜8700億円)と推定される。
2位はイーサリアム共同創始者のジョセフ・ルービンで、資産額は10-50億ドル。3位は仮想通貨取引所「バイナンス」のCEOを務めるCZことChangpeng Zhaoで、資産額は11〜20億ドル。CZは2月末に発売のフォーブス米国版の表紙を飾っている。
下記にランキングの上位10名を掲載する。
1. クリス・ラーセン(リップル共同創業者)、75〜80億ドル
2. ジョセフ・ルービン(イーサリアム共同創始者)、10〜50億ドル
3. Changpeng Zhao(バイナンスCEO)、11〜20億ドル
4. ウィンクルボス兄弟(Winklevoss Capital共同創業者)、9〜11億ドル(各自)
5. マシュー・メロン(個人投資家)、9〜10億ドル
6. ブライアン・アームストロング(コインベースCEO)、9〜10億ドル
7. マシュー・ロスザック(Bloq共同創業者)、9〜10億ドル
8. アンソニー・ディ・イオリオ(イーサリアム共同創業者)、7.5〜10億ドル
9. ブロック・ピアス(Bitcoin Foundation会長)、7〜10億ドル
10. マイケル・ノボグラッツ(ギャラクシーデジタルCEO)、7〜10億ドル
仮想通貨は透明度が低く非常に値動きが激しい性質を持つため、資産額の算定に関してはある程度の幅を持たせた推定値とした。算定にあたり一部のメンバーからは裏づけを得たが、基本的には各人のコインの保有量を推定し、1月19日時点の価格をもとに税引後の利益を資産額とした。
ここに掲載したのは完璧に正確なデータとはいえず、補足しきれていない人物や大幅なずれがある可能性もある。しかし、フォーブスが1982年に最初の米国の富豪リスト「Forbes 400」を発表した際にも同じ手法を用いていた。当時、多くの人がこのような指標を算定するのは不可能だ、もしくは公開すべきでないと述べた。
それでもなお、世の明るみに出ない富に光を当てることは意義があり、その行いを通じ世界をより良い場所に変えられたと我々は信じている。今回の仮想通貨の富に関するレポートを公開するにあたり、フォーブス編集者のRandall Laneは「私たちはかつてと同じゴールを目指した」と編集後記で述べている。
これほどの莫大な資産が闇の中に隠されたままにされることは、許されないことだ。