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「仮想通貨」マーケット実況 

Wit Olszewski / Shutterstock.com

3月19日の週から3月26日の週にかけてのビットコイン価格は、100万円水準から上値をじりじりと切り下げる弱いトレンドとなっている。安値の80万円辺りでは下げ渋るような動きもみられるが、商いが低迷するなか積極的には拾いにくい地合いといえよう。

需給面やネット大手が相次いで広告規制に動いていることが売り要因となっているが、私は売りが一巡するのはそろそろではないかと見ている。

まずはネガティブなニュースから拾っていこう。米ツイッターは、27日より仮想通貨関連の広告を禁止すると発表した。フェイスブックやグーグルが先に広告の禁止を発表しており、この流れを踏襲した格好となった。詐欺や不正な広告などがなくなることは大局的な観点からは良い結果を招くと考えられるが、こういった規制強化は足元の市場には売り材料と捉えられている。

また、金融庁が中国の大手仮想通貨取引所バイナンスに対して、日本で金融庁への登録がない状態にもかかわらず営業を行っていることに対して警告を発したこともネガティブ視された。バイナンスは、使用すると手数料が安くなるバイナンスコインを発行するなど独自のサービスを展開したことで、世界最大規模の取引高を誇っていた。それだけにインパクトは大きいものとなった。

こうしたニュース以外、ツイッターのジャック・ドーシーCEOが、ビットコインについて「今後10年の間にビットコインがインターネット上のグローバル通貨になった場合、ドルよりも重要性が増すだろう」という趣旨の発言をしたが、市場はほぼ無反応だった。注目されたG20を通過したものの、ビットコイン価格は反転する兆しは見られないなど買い方からすると苦しい地合いとなっている。

以前より、規制強化は市場の健全化につながるため中長期的にはポジティブとの認識を持っているが、短期的にはネガティブに捉えられてしまう流れは全く変わっていない。上値を切り下げているチャート形状を見る限り、投資家のモメンタムは低下の一途をたどっているといえよう。

しかし、このような見方もある。3月7日、破産した仮想通貨交換会社マウントゴックスの破産管財人である小林信明弁護士が、破産財団に属するビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)の一部、約430億円相当を第9回債権者集会(9月27日)から第10回債権者集会(3月7日)までの間に売却したことを公表した

同書面上では、3月5日時点で破産財団によって管理しているビットコインは166,344.35827254 BTC、ビットコインキャッシュは168,177.35927254 BCHとなっている(今回売却されたのはビットコインが35,841.00701 BTC、ビットコインキャッシュが34,008.00701 BCH)。残りの仮想通貨売却に関して詳細は明らかにされていないが、公開された書面では裁判所と協議して決定するとしている。

今回の平均売却単価が約1,060,000円となっていることを勘案し、仮に破産財団に属している残りの約166,344.35827254 BTCが1,000,000円で売却されると仮定した場合、約1,760億円の資金が流出することになる。時価総額の減少倍率を20倍として計算すると3.5兆円となり、7日時点のビットコイン価格1,040,000円(時価総額17.5兆円)から、約20%(価格:約830,000円、時価総額:約14兆円)下落する計算になる。

足下のビットコイン価格は80万円での攻防を迎えているが、こうした計算を考慮すると、売りはそろそろ一巡するとの見方もできよう。ビットコインなど仮想通貨は需給主導(正直、思惑のほうが強い気はするが)で動く傾向が強い。今回の下げ要因が、3月7日の発表と仮定するのであれば、需給好転の日は近いかもしれない。

連載:「仮想通貨」マーケット実況
過去記事はこちら>>

文=田代昌之

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