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PixieMe / shutterstock.com

今から数年前、中国の沿岸部の町の厦門(アモイ)で工業デザイナーを務めていたLin Shaoは「WeChat」でブログを書き始めた。給料は良かったが、仕事は退屈だった。

スマホ向けの電子書籍の感想をブログに書いていたLinは、その後しばらくしてインフルエンサーとしての地位を築き、昼間の仕事を辞めた。現在33歳のLinはフォーブスの取材にこう話した。

「自分が読んだ書籍の感想を他の人とシェアするのはとても楽しい。WeChatがブログサービスを開始したとき、これこそが自分がやりたいことだと思った」

現在、2200万人のファンをWeChatで持つ彼は、2017年に数百万ドルをブログの広告収入や、電子書籍のアフィリエイト収入で得た。月間アクティブユーザー(MAU)が9億8000万人とされるWeChatは、今や単なるメッセージアプリではなくEコマースや配車サービスのハブとしても利用されている。調査企業「iiMedia 」によると、2017年時点でWeChat内では1500万件を超えるブログが個人や企業によって公開されていた。

WeChatはフェイスブックほど洗練された人工知能(AI)技術は用いていない。しかし、2015年時点でWeChatのプラットフォームの価値は835億ドル(約9兆円)と算定されている。テンセントの時価総額は5000億ドルを突破し、フェイスブックのそれを上回っている。

Linのような若い世代にとって中国の主要メディアのコンテンツは退屈で、SNSにアクセスする時間のほうが長く、一日の大半をアプリ内で過ごしている。

テンセントはデジタル決済サービスの「テンペイ」も提供し、ブログのファンが書き手に “賛賞(Zan Shang)”という投げ銭機能でチップを払うことができる。iiMediaの試算では、活発なブロガーたちは月平均6.3ドルの投げ銭を得ているという。また、一記事あたりの平均収入は1.6ドルから7.8ドルのラインだという。500万以上のアクティブなブログがあることを考えれば、月額のチップの総額は3000万ドルを超えることになる。

気に入ったコンテンツには「投げ銭」を

「投げ銭はある種の社会現象になりつつある。中国ではモバイル決済の浸透度が高く、人々は近年、気に入ったコンテンツには金を払いたがるようになった」と調査企業「China Channel」のMatthew Brennanは話す。

しかし、アップルは投げ銭の仕組みをめぐってテンセントと対立した。アップルはWeChat内の投げ銭が「アプリ内課金」であるとして、30%の取り分を要求。両社の対立の結果、昨年からiOS上で投げ銭の利用ができなくなった。しかし、1月の中旬に両社はこの件で合意に達し、今後のアップデートで投げ銭の利用が可能になる。

編集=上田裕資

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