二人が結婚したのは2015年のことで、それ以来チャンはJDの事業戦略に関しアドバイスを行ってきた。TattlerによるとJDは中国の富裕層向けマーケットで、急成長を遂げているという。
JDはファッション業界への投資を活発化させており、今年に入り3億9700万ドル(約450億円)をEコマースサイト「Farfetch」に出資した。ここ2年で同社はニューヨークやミラノ、ロンドン、北京や上海でファッションショーを開催し、新事業部の「JDファッション」を開設した。
JDファッションは2017年、アルマーニやスワロフスキー、ゼニスといった国際的ブランドのEコマース販売を開始した。
チャンは中国のSNS界のスターで、数年前にミルクティーを手にした彼女の画像がネットに拡散し、“ミルクティー姉さん”とのニックネームで呼ばれるようになった。最近は各国のJDファッションのイベントの顔役にもなっている。彼女はJDグループ傘下のベンチャーキャピタルTQ Capitalの役員を務め、リウとの間には昨年、娘が生まれたばかりだとTattlerは伝えた。
リウの資産額をフォーブスは98億ドル(1.1兆円)と推定し、世界のEコマース業界で最も富裕な人物の一人としている。JDの発行株式の15.8%はリウが保有し、米国のウォルマートが10.1%、テンセントが18.1%を保有している。リウは会社の株式議決権の80%を支配下に置く。
富裕層マーケットでJDの競合のSecoo Holdingは9月にニューヨーク証券取引所でIPOを果たし、1億1000万ドル(約124億円)を調達した。SecooにはIDGキャピタルや中国平安保険らが資金を注いでいる。