ビジネス

2018.01.30

日本人が知らない中国のブロガーの稼ぎ方「投げ銭」も一般化

PixieMe / shutterstock.com


また、テンセントはWeChatブログ内の広告収入を全てブロガーたちに還元している点も注目すべきポイントだ。ブロガーらは広告主と直接、金額交渉を行うこともできる。

テンセントの主要な収入元はゲーム事業であり、「王者栄耀(Honor of Kings)」などのモバイルゲームから莫大な収入を得ている。投資企業「S.Capital」のChen Yuetianは「テンセントはWeChat自体で儲けようとはしていない。WeChatはユーザーやトラフィックを呼び込む窓口なのだ」と述べた。

しかし、ブロガーの影響力の高まりに神経を尖らせているのが中国政府だ。昨年、有名人のゴシップ等を掲載するWeChatアカウントが突如閉鎖に追い込まれた。当局は最近ではヒップホップなどの“程度の低い”コンテンツの掲載中止を要請するようになった。また、“趣味の悪い”ビデオゲームを追放する動きも始まっている。

一方でWeChatの利用者数が飽和状態に達しつつある中で、新たなメディアプラットフォームも勢力を拡大している。その一つが、一日の利用者が2億人に達するといわれるニュース配信サイトの「今日頭条(Toutiao)」だ。今日頭条の運営元の「Bytedance」は、総額で約1億5000万ドルをブロガーらに支払い、コンテンツを増強しようとしている。

「プラットフォームの覇権の拡大を狙う今日頭条は、今後テンセントと対立していくことになる。しかし、WeChatはあまりにも巨大なユーザーベースを抱えており、これに対抗するのは非常に困難だろう」と投資企業「Zhen Fund」の担当者は述べた。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事