「創業数年で大型資金調達ができなくてよかった。やりくり上手になる。慎重になるんだ。卓球台とか余計なものはまず買わないしね」と、共同創業者兼CEOのデビッド・ザリック(43)は話す。
そうした堅実な経営も手伝ってか、同社は今や、36億ドルという評価額を受けるにまで成長した。
グリーンスカイが手掛けるのは、住宅リフォーム向けの融資である。コントラクターが顧客に融資を持ちかける際、ローンを組みやすくするアプリとプラットフォームを開発。支払い履歴や借入残高から算出したFICOスコアで承認の可否を決め、24時間以内に貸し出しできるようにしたのだ。その一方で、サービスを利用するコントラクターからは手数料も取っている。
リスクを抑えつつ、利益を吸い上げるこの仕組みは、住宅リフォーム以外の業界でも応用可能だ。“やりくり上手”のザリックなら、きっとすでに何か考えている。
デビッド・ザリック◎住宅リフォーム専門の簡易ローンサービス「グリーンスカイ」の共同創業者兼CEO。数学の教授だった父の影響を受け、応用数学に興味を抱き、中学卒業後にオーバーン大学へ進学。1996年に22歳でコンピュータ組み立て会社「マイクロテック」、99年にウェブコンサルティング企業「アウトウェブ」を創業。2006年にグリーンスカイを立ち上げた。