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Paisit Teeraphatsakool / shutterstock

中国のモバイル決済市場は今や、5.5兆ドル(619兆円)規模にまで膨らんでいる。人々があらゆる商品の購入をモバイルで行うようになる中で、中国政府はついに規制に乗り出した。

中国人民銀行は昨年12月30日、アリペイやWeChatペイ等のモバイル決済プラットフォームに対し今後、社内に留保すべき支払い準備金の比率を現状の20%から50%に引き上げるとアナウンスした。この規制は4月から適用され、準備金の比率は時間をかけて100%まで上昇する。アナリストはアリババやテンセントらが推定で750億ドルの利用者の資金を金融機関にプールしており、金利収入を得ていると分析している。

人民銀行はさらにQRコードを用いたモバイル決済の利用限度額にも規制を設ける構えだ。一日あたり利用可能な限度額は、ユーザーのアカウント状況(本人認証の確実度の高さ)に応じて500元(約77ドル)、1000元(約154ドル)、5000元(約769ドル)に制限されるようになる。

背景にはQRコード決済に絡む詐欺事件の多発がある。広州市の南部では、正規のQRコードを偽のコードにすり替えたり、マルウェアを仕込む手法で1450万元(約2億5000万円)が盗まれる事件が発生した。広東省の仏山市でも、偽のQRコードで90万元(約1500万円)を盗み取った男が逮捕された。

規制当局はまた、中国で勃興する消費者金融への規制も強化する。消費者金融業者は法外に高い金利を課している場合もあり、今後はアリペイを用いた貸出の金利制限が最大で24%になる。

さらに、今後の数年で当局はアリペイやWeChatペイの個人情報収集ポリシーに関しても注視する構えだ。アリババは先日、2017年のアリペイでの消費者の買い物動向をまとめた詳細なレポートを発表したが、一部の利用者らから反発の声があがり、アリババは公式に謝罪声明を出した。

また、テンセントのWeChatに関しても同様な疑念の声は高まっている。先日は自動車メーカー「吉利汽車」の会長が「テンセントはWeChatの会話を全て監視しているに違いない」とメディアで発言。これに対しテンセントは「当社はユーザーのチャット履歴は保存していない」と反論した。

上海のビジネススクール「中欧国際工商学院」のOliver Rui教授は次のように述べた。「中国では伝統的にプライバシーが尊重されてこなかった。仮に高いプライバシー意識があったなら、ここまでモバイル決済が普及することもなかっただろう。今後、個人情報の保護に重きが置かれるようになると、モバイル決済企業のコスト負担も増加する」

編集=上田裕資

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