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元ベストカー編集長・勝股優の「だからクルマは面白い」

総合優勝を争ったL1-2クラスのシャンパンファイト。激戦だった。左から2位の上村梢組、1位の今橋彩佳組、3位の村木佐千子組

「妻として、主婦として、家事をして、子供を育て、仕事もして、やることは一杯ありますが、ラリーはやれるんです。みなさんも一緒に走りましょう」

表彰式のシャンパンファイトで印象深い挨拶をしたのは、世界で初めて開催された女性だけのラリーで優勝(1500cc以下のクラス)した栗原智子選手。最新車ばかりのライバルの中で栗原選手の車は25年以上前に作られたシティ。大事にメンテナンスして今も現役だ。それもまた印象的だった。

11月26日、岐阜県恵那市で開催されたL1ラリー恵那。不肖勝股も自動車雑誌編集長時代、多くのラリーを取材・参加もした愛好者の一人。このラリーも私の地元開催ということで、構想段階から参画した。

舞台は恵那市の岩村町、古い城下町だ。戦国時代、織田信長の叔母(美人だったとか)だというのに武田方につき、城を守るために信長方と戦った女城主がいた。NHKの直虎は実在したかどうかわからないらしいが、岩村の女城主は史実。また岩村町は明治を代表する歌人・教育者(実践女子大創立者)、下田歌子を輩出しており、まさに女性が活躍した町。女の戦いにはうってつけの地だと思う。


大会は岩村の情緒あふれる街並み(国の重要伝統的建造物群)がスタート地点。遠くに見えるのは日本三大山城、岩村城。

近年、レースやラリーへの参加者が徐々に増えてはきているが、まだまだ。このイベントを通じて、女性にもっと参加型のモータースポーツの魅力を訴えていこうというのだ。

男女問わず、問われるのは「センス」

女性とモータースポーツ……自論では車という道具を使ったスポーツなので、男女の差はあまり出ないと思う。要は車を操るセンスなのだから。重要なのは継続性だ。女子がより遠くに飛ぶこともあるスキーのジャンプ競技も、男女を統合してほしいと思っている。

ラリー界では女傑と呼ばれたミシェル・ムーンが最高峰のWRCで1982年に3勝して、ランキング2位になるなど計4勝を挙げている。レースはF1に挑戦した女性が何人か出ているが、成功した人はいない。これからが楽しみだが、アメリカのインディカーではダニカ・パトリックが2008年にインディジャパンで勝ち、100年近い歴史のあるレースで史上初の優勝者となった。

意外と知られていないのは、8000kmも走る肉体的に最も過酷なダカールラリーでも女性が総合優勝している。2001年ユタ・クラインシュミットの快挙だ。今大会の発起人、井原慶子さんも、これまたル・マン24時間でクラス優勝している。

と、いうように女性が活躍できるモータースポーツの世界。その一方で多くのセンスある女性が途中でレースシーンから退いている。やはり結婚や出産など、女性ならではの環境変化によるものだろう。

ただ、欧米には趣味としてモータースポーツを楽しむ女性は多い。日本もそうなってほしい。いきなり男性の中に入っていくのではなく、まずは入門しやすい環境を作ろうというのがL1ラリーの開催趣旨だ。

大会を企画したのは前述、FIAのウィメンモータースポーツの日本代表・井原慶子さん。地元は趣味がダートトライアルという恵那市の小坂喬峰市長や、学生時代ラリーに熱中していた古屋圭司衆議院議員が強力にバックアップ。さらにスーパーマーケットを展開する地元企業、バローなどが協力して実現した。

ラリーは一般公道を移動区間に、閉鎖した林道や公道でスピードを競う競技。大会は岩村町の情緒あふれる街並みをスタート地点に、錦秋の山間部、全92km、スペシャルステージ(SS)4か所・16kmで開催された。主催者によると8000人の観客が集まった。


75歳まで走る宣言をしていた大ベテラン、小出久美子組の激しい走り。タイヤ選定に泣いた。

文=勝股 優

 

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