社内のセクハラ防止 企業ができる3つの対策

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つい最近までほとんど議論されていなかったある問題が、ここにきてせきを切ったように脚光を浴び始めた。

映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン、テレビ司会者のビル・オライリー、公共ラジオ局ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)の上級副社長だったマイケル・オレスケスら、多数の重鎮のセクシュアルハラスメント疑惑が浮上し、ツイッターには「#MeToo(私も)」というハッシュタグを使ったセクハラ体験談があふれる中、セクハラ問題は今までにない注目を浴び、社会全体で議論されている。妻と娘を持つ私としては、これは良いどころか、素晴らしいことだ。

職場は概してハラスメントの温床となりやすく、上司と部下の関係では特にその傾向が強い。そこで重要になるのが、企業ができるハラスメント防止策だ。

ハラスメントは、受ける側に多大な悪影響を与えるだけでなく、許容する企業にもダメージがあることを覚えておいてほしい。評判や印象に傷がつき、事業にとっては悪いことしかない。

ここでは、企業が取れる具体的で有用な対策を3つ紹介する。

トップの姿勢

セクハラ防止の活動は、企業の最上層部が率いなければならない。これは最高執行責任者(COO)でも、人事担当執行副社長(EVP)でもなく、最も地位の高い人物、つまり最高経営責任者(CEO)だ。

私たちは、誰もがCEOの持つ影響力の大きさを理解している。そのため、CEOが「セクハラは絶対に許容しない」と、これ以上ないほど明確にする必要があるのだ。人事部のみがこのメッセージを発信している状況では、それほど効果は見込めない。

もしCEO本人にセクハラ関連の問題があり、進んでこのメッセージを発信しづらいとしたら、そのCEOはCEOの立場にいるべきではない。

セクハラ撲滅を全管理職の目標に

このところ話題になるのは有名人の疑惑ばかりだが、セクハラは経営幹部のみの問題ではなく、組織のどこでも起こり得る。全ての役職にセクハラへの認識を広めるために、会社としてどのようなことができるのだろうか。簡単で現実的な解決策は、全ての管理職のパフォーマンス目標に、ハラスメントは絶対に許容しないとの文言を盛り込むことだ。

これを明確な期待として設定し、どんな問題でも見逃さない。一度問題を起こせば、即退場だ。過ちを犯す余地を残さないことで、人々の注意を引くことができる。

念のため述べておくと、これは女性の問題でもある(女性が男性にセクハラをする場合など)。また、女性が被害を誤って訴えることもあるため、全ての問題は慎重に調査する必要がある。

私もさまざまな経験を重ね、さまざまな状況があるのは承知している。だが、この問題は基本的には男性の問題だということを忘れないように。例外はもちろんあるが、それに惑わされてはいけない。
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編集=遠藤宗生

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