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I write about the Chinese, Indian and American movie industries.

米国でヒット中の「スパイダーマン:ホームカミング」(Photo by Anthony Harvey/Getty Images)

米国で大ヒット中の「スパイダーマン:ホームカミング」を筆頭に、“マーベル・シネマティック・ユニバース”と呼ばれるマーベル・スタジオ製作映画の快進撃が続いている。10年前、同社がこれほどの成功を収めるとは、誰が想像できただろうか。

マーベル・スタジオは、DCコミックと並ぶ二大アメコミ出版社、マーベル・コミックの映像化を手がける会社。2005年、同社は10本の映画を自社製作する資金として5億ドル(約567億円)のファンドを立ち上げた。それまでは共同製作という形で他の映画会社にキャラクターや物語の映画化権をライセンスしていたマーベル・スタジオが自社製作に乗り出すことに対し、業界は懐疑的だった。その理由は主に二つある。

一つ目は、映画製作のノウハウの欠如だ。企画から制作、マーケティング、配給まで映画製作の各過程で膨大な蓄積を持つ大手の映画会社でも、マーベル・コミックの映画化作品は必ずしも成功していない。ニュー・ライン・シネマの「ブレイド」シリーズはヒットしたが、ユニバーサル・スタジオによる「ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀」や、ニュー・ワールド・ピクチャーズとライオンズゲートがそれぞれ製作した「パニッシャー」はいずれも不発に終わった。「X-メン」シリーズをヒットさせた20世紀フォックスも、「エレクトラ」では失敗した。マーベル・スタジオのような、実績がない上に一度は破産に追い込まれた会社が単独で大作映画を製作できるとは思われなかったのである。

二つ目の理由は、マーベルが所有するキャラクターの限界だ。マーベル・コミックには約5000のキャラクターが存在するが、ライバルであるDCコミックのバットマン、スーパーマン、ワンダーウーマンに匹敵する人気キャラクターの数は限られている。その中で最も有名なスパイダーマンとX-メンは当時、他の映画会社に貸し出されており、自社作品で使うことは不可能だった。知名度の低いキャラクターを主人公に10本も作ることは無謀に見えた。

2008年公開の第一作「アイアンマン」が、予想外の成功を収めた後も、順風満帆とは言えなかった。第二作の「インクレディブル・ハルク」は製作費1億5000万ドル(約170億円)に対し、全世界興行収入2億6300万ドル(約298億円)に留まった。

編集=海田恭子

 

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