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平成生まれの東大卒よくばり女子。化粧、スイーツ、恋バナなど、仕事でもプライベートでも「女子」の研究に力を注ぐ。

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プライバシー侵害。この言葉は最近あってないようなもの、と感じます。

女子は元来「干渉」が多いといわれがちですが、今や世は1億総干渉時代。SNSの盛り上がりとともに、「こんなことまで聞いちゃっていいの?」という“かゆいところに手が届く”ような情報が溢れ、ひと昔前であればプライバシー侵害と責められていたようなテーマも、人々に面白がられ、必要とされる「コンテンツ」となることが増えています。

そもそも「プライバシー」は、広辞苑で「他人の干渉を許さない、各個人の私生活上の自由」と定義されています。それを「コンテンツ化」することはすなわち、秘められているからこそ知りたいという人間の干渉欲求をくすぐり、さらに公開することで利益や名声、好感度といったリターンを享受する行動といえるでしょう。

ではそれは一般女子の間でどのように受け入れられているのか? 「SNSを活用している」と自負する10代~30代女子たちにヒアリングをしてみました。

まず驚いたのは、「恋人や好きな人とのLINE画面は女友達と共有する」女子が一定数いるという事実。半年前のドラマ「タラレバ娘」でも自身の恋バナをセキララに共有するアラサー女子の姿が描かれていましたが、あれは誇張ではありません。確かに学生時代を思い返せば、私も「A君がこんなこと言ってて、私はそれにこう返して」と、セキララに女友達に話していました。

秘密話の共有は、友達との仲を盛り上げる媚薬。それが”話”としてだけでなく、LINE画面というリアルなもので共有されるのは「プライバシーの侵害」という視点で考えると危ういものの、そんな堅い主張はつゆ知らず。当人たちは「どうせ話すならスクショ(=スクリーンショット)を見せながらの方が早いじゃん」という開き直りよう。

さらに、ヒアリングに協力してくれた10代女子によれば「LINE画面の共有は仕方ないものとして、相手にも暗黙の了解がある」という声もあるほど。ひと昔前とは、恥の感覚や許容度の広さにおける常識や共通認識が変わってきているのかもしれません。

「プライバシーのコンテンツ化」の例としてもうひとつ、「お金」事情についても取り上げたいと思います。

読者の方々にも、雑誌やWEBで「お財布事情公開!」企画を目にしたことのある方は多いのではないでしょうか。芸能人のギャラや年収が話題になるなど、いつの時代も“お金事情”は人気のコンテンツですが、一般人のレベルでも仕事・収入・顔写真がセットで披露されるなど、その公開っぷりは進化しています。

お財布事情のようなプライバシーを世の中に発信することに対し、嫌悪感をおぼえる人もいると思います。しかし、もはや時代はそんなことはお構いなし。「他の人の事情・実態を知りたい」というプライバシー覗き見欲求が勝り、メディアやSNSがそれに応えることで、公開サイクルが加速しています。

「お金の話をするのは、はしたない」という美徳の強かった日本ですが、「お金の話も大切なこと」という価値観が浸透。そこに、「かつてのタブーも気にせず、むしろ楽しむ」という潮流が拍車をかけているように感じます。言うなれば、タブーに手をいれなければならないほど、情報過剰の世の中で人々を振り向かせるのは難しくなっているのです。

LINE画面を気軽にシェアする、お財布事情を公開する──自らのプライバシーをすすんでコンテンツ化させていく女子たちは、見方によっては異質で非常識かもしれません。しかしこの傾向は、ブログやツイッター、インスタグラムが当たり前のSNS社会で“面白い人”と認定されるために、「発言の具体化」「新たな分野での発信」という術を手探りで会得した女子たちならではの、情報公開という形のサービス精神の現れなのではないでしょうか。

文=山田茜

 

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