キーワードは丸出し感、渡辺直美に学ぶ「次世代女子力」

(Photo by TPG/Getty Images)

今、いちばんアツいと言われているSNS、インスタグラム。日本においてそのインスタグラムの女王と称されているのが、女性芸人の渡辺直美さんです。

フォロワー数日本一(約675万人、5月31日時点)を誇る彼女の発信力は圧倒的。近年では「渡辺直美さんのようになりたい!」という“渡辺直美系女子”も増えています。

渡辺さんは2008年、ビヨンセのモノマネで世間の注目をかっさらい、その後コンテスト形式のお笑い番組で2年連続優勝。バラエティー番組ほかテレビやイベントに引っ張りだこで、言うまでもなく、芸人として素晴らしい才能、実力の持ち主です。しかし、彼女が”インスタの女王”となるほど支持されている背景には、女性芸人の枠を超えた才能、そして「自分をさらけ出す力」にあります。

まずは才能について。彼女にはアートやファッションの才能があり、その独自のセンスはモデルやデザイナーという形で発揮されています。例えば、日本初のぽっちゃり系ファッション誌「ラ・ファーファ」では何度となく表紙を飾り、いまも続く密かなぽっちゃりブームの火付け役となりました。

また一方で、アパレルブランド「PUNYUS」(プニュズ)もプロデュース。渡辺さんらしいデザインと、フリーサイズから6L(!)までというサイズ展開の豊富さで好評を得ています。

これらの才能の”発揮ぶり”にも通じるのですが、彼女の魅力は、すがすがしいほどの「丸出し&だだ漏れ」感にあります。一般的に、才能を振りかざせば敵を作りかねませんが、彼女の場合は驚くほどの才能をさらけ出しているのに、それがまったく鼻につかず、あっけらかんとしていて、なぜか面白い。

そしてこれは、才能に限らず、彼女の性格にも通じるところです。

ファッションアイコンでもあるのに、「頭は4日洗ってない」など女子らしからぬ習性を堂々とテレビで言ってしまう。それがまったく嫌味なく、痛快で心地よい──。

驚くほど素の自分をさらけ出す様子は、むしろあっぱれ。「女性としてはマイナスイメージ?」なんて考える方が器が小さいのかも、と思えてきてしまうほどです。

惜しみなく肌を露出したセクシーな衣裳も嫌味がなく、女性からの支持がとにかく厚い渡辺直美さんですが、実は男性からも”異性として”好感をもたれている様子。この全方位モテっぷりは、まさに理想的と言えます。

潔く、多才で、隠さず、たくましく、とても魅力的。このタフな力こそが、次世代の「女子力」なのではないかとさえ感じます。そして、渡辺直美さんの魅力が新たな「女子力」だとしたら、新たな「男子力」として求められるのは、そんな女子を諭すのではなく、一緒に楽しめる共感力や、包容できる器の広さなのかもしれません。

文=山田茜

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