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Jorge Salcedo / Shutterstock.com

金融ジャーナリストのダフ・マクドナルドが、米国の名だたる経営大学院であるハーバード・ビジネス・スクール(HBS)を批判する新著を出版した。

「The Golden Passport: Harvard Business School, the Limits of Capitalism, and the Moral Failure of the MBA Elite(金のパスポート:ハーバード・ビジネス・スクール、資本主義の限界とMBAエリートの道徳的失敗)」と題した同書で彼は、HBSの設立目的の一つである「社会的に建設的な方法で現状のビジネスが抱える問題に対処できる人材の増加」に着目。HBSがこの点において「非常に大きな失敗」を犯してきたと述べている。

フォーブスのインタビューに応じたマクドナルドはまず、HBSが残してきた功績を認めた。例えば、1900年代初頭に社会科学とビジネスを融合させ、経営学を発展・体系化したこと。そして、あまり知られていないが、ベンチャーキャピタル(VC)業界の開拓に貢献したことだ。マクドナルドは「皆、VCの中心地はスタンフォードだと考えている。(だが、)HBSのVCへの関与は、他に比べるものがない」と説明。元HBS教授で、VCの父として名高いジョルジュ・ドリオの功績を指摘した。

HBSはまた、米国の第2次世界大戦勝利を後押しした。マクドナルドによるとHBSは「軍の一部門」として、人員や物資を管理し適切な時と場所に配備するための重要な統計作業を担当していたという。

しかしHBSの罪過は功績より大きい。マクドナルドが特に強く批判するのが、経営における最重要事項は株主価値の最大化にあるとした「エージェンシー理論」を提唱した、経済学者でHBS教授のマイケル・ジェンセンだ。ジェンセンの理論では、1980年代に大量の失業者を生んだ企業の敵対的買収や、過剰に高額なCEO報酬も、株価が上昇さえすれば問題はないことが示唆されている。

HBSのニティン・ノーリア学長は同著に反論し、HBSの教授らはエージェンシー理論を長年にわたり非難してきたと指摘している。しかしマクドナルドは、ウォール街で今なお見られる短期的成果の追求は、ジェンセンの理論の直接的結果だと考えている。経済学者らもまた、企業が短期的な視野を持つことで将来への投資が減り、新たな機会への対応も鈍ることを示す証拠を見いだしてきた。

編集=遠藤宗生

 

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