メディアで「斬新すぎる」「テーマパークみたい」と評されるその新しい空間を、同社の野本巧チーフクリエイティブオフィサーに案内いただいた。エントランスや会議室を紹介した前編に続き、執務フロアやオープンスペース、社員の声を紹介する(以下、野本氏談)。
最大350人収容のミーティングスペース
総合受付のある24階には、モニターとスピーカーも設置し、着席で350人収容できるスペースもあります。普段はテーブルが置いてあるので、フリースペースとして使う場所です。そしてここには大きなクッションを置いているんですが、これは「ちゃんと」座るのが難しいんです。
ちゃんとできないものが用意されているということは、ちゃんとしなくていいんです(笑)。クリエイティビティに関しては、必ずしもちゃんとすることが良いわけではありません。こういう場を用意することで「気を遣いすぎずに自分の意見を言えるようになれば…」という期待を込めて置いてあります。
敢えての遠回りでコミュニケーションを促す
27階はサービスの運営や新規事業の開発、マーケティング、デザインなどクリエイティビティとコミュニケーションを必要とするチームが集まっているフロアです。執務エリアのデスクは1本の曲線でつながっていて、距離にすると1kmになります。
そのため、フロア内を移動する導線も曲線になるので、若干遠回りしなければならない部分もある。でも、それによって普段あまり接点がない人が視界に入ったり、顔をあわせることになります。従業員は嫌かもしれませんが、役員ブースの前も通るようになっています(笑)。
模様は、波をモチーフにしたデジタルアートですが、フロアの東側は“朝の海”をイメージした色合い、西側には“夜の海”をイメージした色彩を採用しました。
当初デスクを決めるとき、「白にするか木目にするか」で迷うことに何か違和感があったんです。そもそも、その2つの選択肢しかないのは単なる固定観念なのではないかと。
色の効果によって仕事の効率が変わる可能性があると仮説を立てるなら、クリエイティビティやコミュニケーションを求めるチームであれば、オフィスのデスクがアートなデザインでも良いはずだと考えたんです。